「吹雪さん!」

「何?虎丸君」

虎丸は吹雪の受け答えで喜んでスキップしてどこかへ行ってしまった、だが吹雪は何も思わなかった。

「吹雪…」

「何、豪炎寺君まで………」

虎丸を後ろから見守っていると豪炎寺君は吹雪を抱き締めた。抱き締められれば吹雪は白い顔が一気に赤になる。

「吹雪、俺も名前で呼べよ」

浮かれていた虎丸は豪炎寺が吹雪に抱きついたのを見て全速力で戻ってきた。

「なにしてるんですか!豪炎寺さん!早く離れてください」

「虎丸には関係ない」

「関係ありますよ!俺の吹雪さんから早く離れてくださいよ!」

豪炎寺と虎丸に挟まれてケンカされる吹雪はただ愛想笑いする。師弟関係もある二人がその上下関係さえ忘れて睨み合う。

「俺の……?吹雪は俺と出会った瞬間から俺の所有物だ」

豪炎寺が眉をひそめればそんなことを言い出した。吹雪は困った顔で愛想笑いするしかない。

「待ってください、俺はジェニミストームに吹雪さんが勝った時から俺のです!」

これまた理不尽な、と近くにいた風丸は笑う。すると虎丸がやっと豪炎寺から吹雪を引き離して自分の元に引き寄せる。

「吹雪さんは俺の方が似合うし養えますよ、料理も洗濯も掃除だってこなせます」

「吹雪はうちに嫁ぐ予定だから、吹雪のためなら北海道にも別荘を買う」

どこまで本気なんだよ、と綱海は二人を見てそういうと立向井は二人ならやりかねない、と笑う。

「熱いから二人とも離れてよ」

と吹雪が一喝すれば二人はぴしゃりと吹雪から離れる。吹雪は汗びっしょりである。

吹雪との将来設計の希望は強くても、吹雪自身には二人とも弱かった。





とりあえず俺なら養える

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なんかスミマセン
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