妙な噂を聞きました




※ミサキ視点




他人と比べると無口な方で、自分に興味を持って話し掛けてくるのはどちらかと言えば「友達」としてではなく「憧れの人」として見ているような人だ。
私が通うこの学校は女子校だから学校に男子生徒がいるなんてことはないから、男らしいさばさばした性格の人はこうやって女の子なのに女の子からモテる。なんともおかしいサイクル。

そんなある日、とある女子グループの会話の中にいた。
というのも「是非聞いて欲しい!」とか言うからである。私を囲んで話すからぼんやりと聞いていた。


「この前、すごくラブラブなカップルがいてねー」


女の子が好きそうな話題。
私にはどうでもいいことだけど耳を傾けていた。


「彼氏の方はすごく格好良いんだよ、制服は後江高校かな…? キリッとしてて背が高くて、彼女は可愛いの! 蒼髪で小さくて目が大きくて、服とかも可愛いの!」


私の知り合いに後江高校の男も蒼髪で小さくて目の大きい少年なら知っているが彼女ではない。
アイチは男だし、服は男の子の物しか着ない主義だと信じたい。だがあの二人ならなんとなくそんなことさえ実行に移していそうだ。


「どうかしましたか、戸倉さん?」

「あ、何でもない…」


みんな私に敬語使うのは何故だか知らない。だが別に気になるものではないから放っておくことにしている。


「しかもそのカップルのやり取りが凄く可愛いの! 恥ずかしがる彼女にね、彼氏の方が凄く甘やかしてね」


もしかしたらそれは私の知人かもしれません、なんて言える筈はなく、ただ耳を傾けている。
やりかねない気がする、櫂が無理矢理アイチに女装をさせて街を練り歩き恥ずかしがるアイチを甘やかす状況が。


「彼氏の方が見た目、クールそうな人でさ……でも優しく彼女をエスコートしてあげてて……憧れるよね」


ここで何となく彼氏彼女が櫂トシキと先導アイチと言う疑惑が更に濃厚になる。まさかね、と思いたいけど身の回りに砂糖が吐けそうなバカップルが増えたら溜まったものじゃない。

三和の気苦労がとうとう私もわかってしまったとただため息を付く。







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ミサキさんは友達よりファンの方が多そう





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