そこまで心配しないだろ ※キャラ迷走気味 三和はひとつ、大きくため息をついた。 「あんまりため息ばっかりついてると幸せ逃げるよ」 カードキャピタルに来て何回目のため息だろうか。ミサキは心配と言うよりは呆れている様子で三和に話し掛けた。 まるで誰か構ってくれとでも言いたげなため息をする三和の目の前にはやたらそわそわしている櫂トシキを見て、ミサキは「あぁ、そうゆうことね」と悟る。 「あいつ、もう4日も来てないもんね」 「櫂の奴さ、ずっとあの調子で………アイチのいる時は痩せ我慢してよ」 「あのアイチお兄さんが4日も、マケミ達はいつも通りなのに………まさか、風邪気味とか!」 二人の会話に割り込んで来たカムイは勝手なイメージをアイチに押し付けて心配していた。 ここ最近は森川と井崎は来るが、櫂が待ち望んでいるアイチだけは来ない。 少しの間来ないからと言って風邪とは断定できないのだが、ここの所平日休日関係無く毎日通いつめているいわゆる常連が来ないと少し心配になるのはそれだけアイチの存在が大きいせいだろう。 「まぁアイチって塾通って忙しそうだしな、よくよく考えてみれば今年受験だしな」 「だからと言ってもう4日だぞ」 三和は自分や皆の不安を拭うように、言い聞かせるように言った。 するとずっと視線が入り口付近にあった櫂がやっと三和の方を向き口を開いたと思えばこの第一声だ。 真剣な顔には冷や汗が流れている。こんな表情見たことない、と言わんばかりの3人はついつい驚き櫂を見た。 「もしかしたらレンに監禁されているかもしれない」 「んなわけあるか! カンキ…?とにかくチャンピオンがそんなことするわけないだろ」 「監禁ね、監禁」 小学生にこんな危ない言葉を教えていいのか、高校生……と三和は笑いながら、話に加わらまいと存在を消そうと必死だ。 ツッコミが間に合わないからである。 「そんなに心配なら、アイツの家行ってくれば?」 「家が何処だか知らない」 「電話とかすればいいじゃねぇか」 「番号も知らない」 「なら学校前で待ち伏せでもしてみたらどうです?」 「それだ」 いいのかよ、それでと三和は心の中で大いにツッコんだ。提案者の新田は最初から話を聞いていたらしく、すべてを知ってるとでも言いたげに微笑んでいる。 次の日、それは本当に実行されたらしくアイチは恥ずかしそうに顔を赤らめてカードキャピタルに現われた。 どうもここ最近は妹であるエミに宿題を教えていたらしく来れなかったらしい。 とんだ杞憂だった、とカムイは胸を撫で下ろしていた。 櫂はやたら嬉しそうな顔でまた静かに座っていた。 櫂のそのたるんだ表情を見て三和はまたため息をついた。 |