女の子の約束




エミ+ミサキ


「悪いね、店の仕事させちゃって」

「いいえ、アイチ待って無くちゃだめでしたし……」


セーラー服を着こなすアイチの妹エミは縮まっていた。目上の女性と話す機会は学校や家だけであまり無いからであろう。

アイチ達は何処かに寄り道してからくるらしいがそれを知らなかったエミはずっと前からカードキャピタルで待ち伏せしていた。

あまりに暇そうにしていた彼女が可哀想に見えたあまりか、ミサキなりに不器用にもコミュニケーションを図ろうと思いとりあえず人が少ない時間でもあった今を利用して掃除を手伝ってもらったのだ。


「もう……アイチったら…」

「本当に仲がいいんだね」

「え、ああ…仲が良いってほどじゃ……」

「面倒見が良いのはいいことさ、たまにどっちが年上か分からなくなるけどね」


ミサキは穏やかに笑って見せるとエミもつられて笑って見せた。

昼下がりの日の光は暖かく時が緩やかに流れるように感じた。


「私はアイチを変な男に絡まれないように努力しなくちゃいけないんです!」

「頼もしいね、確かに色んな奴が狙ってるみたいだしね」

「ならもっとアイチをほっとけない!」

「私も手伝うよ」


本当ですか、なら安心です! と嬉しそうに声を上げるエミを見てまたミサキから笑みが零れた。

女同士で同盟を組むなか、当の本人はいつもの通りカードキャピタルへと足を進めていた。




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女の子同士の会話まだかな