どうやら虎丸の機嫌も良くなってきたらしく虎丸はいつも通りのやんちゃさを飛鷹に見せ、ようやく安堵する。

せっかく作った虎丸への夕飯もダメ出しされたがそんなことは自然と頭に来なかった。
夜は徐々に気温が下がっているせいか、ジャージを着ていてもどこか肌寒く感じた。

飛鷹はさっさと虎丸を宿舎に入るよう言って自分はその場に残った。

「吹雪さん、居るんでしょう?」
飛鷹が振り返った先には誰もいなかったが物陰からひょっこりと吹雪が顔を出し、ばれてた?、と苦笑いをした。

「飛鷹君って優しい所もあるんだね」

「…当たり前ですよ、不良だって心はあります」

「そうだね、でも意外だったから」

吹雪は飛鷹のいるグラウンドに入り同じベンチに腰掛けた。飛鷹は意外……ですか…?と自分でも少し驚いたように見据える。

「飛鷹君ってさ、なんかこう………一歩離れてるから」

「離れてる………?」

「うん、あんまり誰かと歩いてるところとか見ないし」

そういわれてみれば自分でもそうだと思った。別に一人が好きな訳じゃない、一歩踏み入るのが苦手なだけだ。言われたことを否定出来ない。

「でも彼氏にするなら飛鷹君みたいな人がいいよね」

「へっ……?」

とんでもなくみっともない声が出たのはきっと初めてに違いないと確信しながら吹雪を凝視すれば、彼は笑っている。

吹雪の顔は月明かりに照らされてより一層綺麗に見えた。








思い思われ

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二人が絡まないかなー
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