「すみません……本当にすみませんでした……」

小学生ながら深々と頭を下げる。吹雪は仕方ないさ、となんとか頭を上げて貰おうと必死に弁解するも効果はない。

そもそもこうなった原因には虎丸に否は無かった。
吹雪が稲妻町で開かれる祭りに誘うも虎丸の家が営業する虎ノ屋はその祭りに便乗するように満員御礼、その結果吹雪も手伝いに入り結局祭りに行けずじまいである。
「ううん、虎丸君!大丈夫だよ、気にしないでよ」

「でも折角誘ってくれたのに………相手を喜ばせられない恋人なんて失格かもしれません」


よほど心に詰まっていたのだろう、地面に顔を向けてあげようとはしない。彼は前日まで吹雪と祭りに行くことをはしゃぎ回る勢いで楽しみにしていた。
しばらく閉店した虎ノ屋の前で二人は立ち尽くした。

「でも僕は虎丸君がそこまでお祭りを楽しみにしていてくれた方がうれしいよ」

「……でも、吹雪さんにまでタダ働きまでさせちゃいました」

「気にしてないよ、いい経験だと思う」

すると恐る恐る虎丸は吹雪の顔をみる、吹雪は満面の笑みを浮かべた。

虎丸はやっと罪意識から解放されたらしく吹雪の笑みに釣られるように笑う。

「吹雪さんが恋人でよかったです」

「僕も虎丸君でよかった」


二人は夜空に浮かぶ星を仰いだ、それらはまるで小さな宝石のように輝いていた。

そんなありふれた風景も二人にとっては特別なものだった。



恋人は小学生

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虎丸と吹雪って新鮮だな
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