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療養旅行記

11月上旬、寒さもだんだんと本格化してきた今日この頃、俺は仮病を使って恋人のU房と表面上の療養旅行にやってきた。
実を言ってしまうとU房は俺が仮病人であることを知らないので、かなり都合のいい感じになっていた。
どこへ行くにしても、何をするにしても、俺は“表面上“U房に頼らざるを得ない。
え?どんな仮病を使ったって..? 


「わぁ、久しぶりですっ、温泉旅行なんて!」
「U房はしゃぎすぎだおw」
「そー言う伊八だって、楽しそうですっ!久しぶりに見ましたっ、伊八の素敵な笑顔っ」  


これだから、何も言葉を返せなくなる。
俺は“精神病を煩うふり“をしているのに、そんなことも知らずに惚れ惚れしてしまう台詞をさらりと言ってのけるのだから。
俺は妙な空間を作り出さないようにと、必死に思考回路をぐるぐると回して自然な会話をつくる。


「だって、こうしてU房と旅行に来るのも久しぶりだし?そりゃあどきどきするお」


そう言うと、U房は少し頬を赤らめて柔らかく笑った。
全く、どこまで真っ白で純粋なんだか。U房は。
しかし、都合が良いという感情とは裏腹に、偽りを作り出す度に無邪気になるU房を見るだけでどこからか自責の念がふるふるとこみ上げてくるのも事実であった。
俺は変に感情移入しないよう、U房から目を離しマフラーをまき直した。
あーあ。こんな変な思いするくらいなら最初から上官に恋人と旅行行くなんて言っておいた方がよかったかも。
でもまぁ..。
せっかく作ったチャンスは、逃しちゃ切腹でしょw




****************




旅館に到着し、温泉につかって、豪勢な懐石料理を戴いて部屋でくつろぐこの時間は今までで一番幸せな瞬間だった。
任務の辛いことも忘れて、自分が仮病を使っていることさえ忘れそうになる。
もういっそU房とこのまま暮らしてもいいと思う。いたって真剣に。
そして布団に仰向けになって天井を仰いでいると、U房が俺に跨がって、切れ長の瞳が俺を覗いた。
え、ちょwww俺が寝際にしようとしてた計画がww
望んでもいなかった幸福に顔が緩みそうになるが、俺はいつでも仮面を被ることを忘れなかった。


「え、ちょ、な、なんぞww」
「伊八....。」


そっと俺の右手をとってキスを落とすU房。
その伏せられた目をかざるまつげが綺麗に伸びて、俺の興奮をさらにかき立てる。 


「ずっと、心配でした..。伊八が精神的に病んだ、と聞いて、それはまたきっと私自身の責任でもあると...。」
「!」


伏せられていた目が潤った瞳を露わにする。
泣き顔も半端じゃなく綺麗。つくづく思ってたけど、ずるいお。


「だから、せめて私で癒せるのなら..」
「じゃ、そーしてもらおっかな?w」


U房の魅惑に勝てなくなった俺は、ついに口角をつり上げて彼の手を掴み、それをいっきに引いて身体を反転させる。
白い布団に横たわる同化してしまいそうな白い肌、髪。
俺は動揺する彼の唇を手をとりながら強く塞いで中をかき乱す。
荒れゆく呼吸と同時に沸き上がる興奮で自身が反応するのが手に取らずとも分かった。
俺はそこをわざとらしくU房に擦り付けるようにして、U房の浴衣をはだけさせる。


「..っあ、ふぅ..っっ!」


吐き出される吐息は俺を刺激するだけ。
U房は声をたからげて、下からの快楽を感じていた。


「U房っ、ぐちょぐちょだおww」
「んんッ!あ..っん、!」
「そんなに大きな声あげたら、隣に聞こえるっ」


反応が楽しくなって、そっと耳元で小さくそう囁けば、びくりと彼の身体が跳ねる。
もちろん、隣の部屋は空きだけどw
声をなんとか抑えようと、口を自ら力の入らぬ手で押さえるが、俺はそれを阻止しようとさらに彼の蕾に3本の指を宛てがって、激しく抜き差しを繰り返す。
水音と、籠もった喘ぎ声が部屋に響いてやまない。
俺は息を乱したまま、浴衣を剥ぎながら彼の首筋、がっちりとした胸へと順々に証を付けていく。
その間ももちろん彼の好きなご奉仕は止まらない。 
中を十分かき乱した後は大きくなった彼自身を激しく扱いてやる。


「んんっ、ぁあんッ、..はぁっん!」


今にも意識が飛びそうな彼が、自身のひっきりなしの喘ぎ声を押さえるのはほぼ不可能だった。
とろりと自身からはとめどなく先走りが手の中に零れて、硬化し、目はうつろで口は半開き。
やばいwwwこwwwれwwはwwww興奮するwwww
我慢できずに、U房の手を掴んで、それを自身に導く。


「U房..ッ、興奮したっw!俺のも扱いてッ」


自分という存在も忘れて、ただ快楽に貪欲になり、U房の手の中に俺のものを収めさせて彼の手を包みながら自身を強く刺激する。
はぁっ、気持ちいーwwたまんねww
そしてU房が自ら俺に奉仕するようになってから、俺は彼の手を離して彼へのご褒美を始める。
胸の突起にかじりついて、ひっぱって、舌で突いて。


「はぁ..ッ、っあぅ、んんっ..伊八っ....!いれ..って!」
「あれ?どこの、誰がタメ口で物を頼んでいいって言った?ww」


ねだる貪欲なU房に不適な笑みを浮かべて答えを求めると、彼はその欲望の強さ故にか、簡単にその言葉を並べた。


「お、願いします..ぁあっ、ん....私の、中を、伊八ので乱してぇっ、もっとぐちゃぐちゃ..にぃっ、してくださいっ..ぁんっ!」
「おりこーさん。」
 

俺はU房を見下すような目で彼を見つめ、鼻の上にキスを落としてから奉仕し続けていた彼の手から俺の精液を絡め取って後膣へそれを塗り広げる。
そしてすぐに固くなった自身を宛てがい、仰向けになった彼の腰を掴んで勢いよく突く。
ぐちりと一際大きな水音がしたと同時に、可愛らしい声が上がる。


「ぁああんっ!..ひぁんっ!あんっ!」
「U..房っ、奥まで....突く..ッ」


力を入れて、きゅんきゅん敏感に反応する管の中、俺は彼の気持ちいいと感じるトコロを目掛けて無理矢理挿入する。
そして、彼の中がようやっと馴れてきたところで前後運動を始める。
身体と身体とが接触する音と、厭らしい水音が耳を犯す。


「あっ、そこ..っ、伊八....ひゃあぁんっ!」
「はぁっ、んっ」


打ち上げられた魚のように激しく腰を揺する彼はつまり感じてくれているということ。
それがなにより嬉しくて、俺は彼の好きなところを集中的に攻めあげた。


「ぁあっ!もぅだめですっ!あぁんっ!....ィ..くっ!」
「U房っ、」
「あぁぁぁああああっっっ!!」


そして、ラストスパート、最奥を突いたその瞬間にU房は俺の腹に精液を盛大にぶちまけて達した。
その強い締め付けで、俺も同時に中に出して達した。
......あーあ。
U房完全にイっちゃってんじゃんw
俺は繋がったまま眠りに落ちてしまった彼の額にキスをして、ゆっくりまぶたを閉じた。
結局、仮病って言い損ねちゃったや。
....でも。
結構このネタ仕えるかもだし。
また、今度、使ってみよーかな?ww


もちろん、愛する人の前でね。






end.
(純白って、騙すのに都合いいんだ。)

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