あとがき




 最後まで読んでくださってありがとうございます。
 こいのやまい、は知ってらっしゃる方は知ってるとおり支部にあるお話です。そのお話の続きとして書いたものでした。

 このお話の全体として補足をするなら、うさぎ病が治るのは真実の愛であること。なんですが、前提として「愛を貰う側がそれを受け入れること」というのを考えていました。陸くんは天にぃのことをヒーローにも王子様にもするけど、たぶん自分をお姫様にするわけではないんだろうなと。天にぃは陸くんの王子様である自覚はあっても、陸くんにお姫様である自覚はない。幼い頃からずっと一緒にいるせいで、陸くんは天の中で特別な存在であることに対しての意識が薄い。というのがこの病に関わる核となるように書いてみたつもりです。

 自分が愛すれば愛するほど、陸の病は進行してしまう葛藤ともどかしさ、自分が救えない悔しさを抱える天。そんな天が陸が目を閉じた後、口づけをすることにも自分がすることによっていよいよ陸がどうにもならなくなってしまうのでは、という恐怖はあったと思います。さらっとキスした、と言ってますが陸が目を閉じてしまってからの天の判断は愛しい人を救うための一か八かの勝負みたいなところがあったと思います。
 天にぃが陸くんをずっと思う気持ちは決して嘘じゃない愛だったけど、それを貰う側の陸くんの心情によって病が悪化する、みたいなすれ違い作用を考えてました。自分で考えた病なのに難しいな、と思いながら書きました。

 天陸お幸せに!
 






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