アパテイア #2
部屋の中にあったテレビのような画面に触れるとそれには見た事のない文字と画像が映し出された。
この世界の文字なのだろうか。
それでも何となく自分達が知っている文字と似ている気がするが。
シエラはその中の一つ、宇宙空間の中にある大きな船の画像を指しながら言った。
「今いる場所は惑星間航行船団、通称"オラクル"と言われています。その中には4つの種族、ヒューマン・ニューマン・キャスト・デューマンが存在しています。違いは見れば分かると思いますが、貴方達に近いのはヒューマンと呼ばれる種族でしょう。 銀河の外宇宙で新たに発見された惑星に最初に降り立つのが調査隊"アークス"であり、調査と交流のために互いに協力し合って未知の惑星の謎を解明しています。」
シエラが話す内容は一度も聞いたことがない単語ばかりだった。
次々に話されていくこの世界の内情について頭がついていけなくなった黄瀬は声を上げる。
「ま、待ってくださいっス!お、おらくる?種族って……どういう意味っスか!」
無理もないだろう。いきなり知らない場所にこればそこは自分達が住んでいた世界が違うのだから。
はいそうですか、なんてすぐ適応するほうが可笑しいだろう。
「大丈夫です。少しずつ慣れていけばいいんです。ここに入れば緊急事態がない限り襲われることはありません」
「襲われるって何に?」
「ダーカーと呼ばれる敵です」
青峰が気だるそうに、けれど真剣に聞いているのを感じ取ってシエラは丁寧に答えていく。
敵、モンスターということなのだろうか。
ゲーム内でしか知らないそれは恐怖の材料になるのは確かなことで唯一の女の子である桃井はぶるっと震える。
「……この世界については大体理解した。だが一つ疑問がある。何故俺達を助けた?君からすれば俺達は未知な者だろう」
鋭い視線で問う赤司に対しシエラはその様子に怯えることなく、慎重に答えた。
「仲間になって欲しいんです」
「……仲間とはどういう意味なのだよ」
まさか、戦えというのか。赤司に変わり痺れを切らした緑間が聞き返せばシエラははっきりと頷き口にした。
「単刀直入に言うとそうなります」
迷いが無い返答に誰しもが固まる。
今まで平和の中で過ごしてきた故、突如戦えと言われても素直に頷くことはできない。
「そのメリットは?当然条件もあるんですよね」
どこからともなく現れた黒子にびくっと肩を揺らした。
黒子の体質である影の薄さはこの世界でも発揮されるようで、これは面白いと口角を上げたシエラは答える。
「仲間になってくれるのであれば条件は特にありません。仲間が多すぎて困ることはありませんから。その代わり、貴方達にはこの世界での居場所を差し上げます」
「……なるほどね」
薄々勘づいていただろう事だが改めて口にされると現実味を増してくる。
夢だと現実逃避したくなる気持ちもあるがここは一つ、今のこの状況を楽しむというのはどうだろうか。
「分かった。その代わり、戦い方を教えてくれ」
赤司が絞り出した独断での答えを周りにいる彼等は不安そうな顔で見詰めている。
「え……。それ本気っスか……?」
「冗談に聞こえるとでも?」
「そういう事じゃないんスけど……。でも!」
「黄瀬君」
そんな中、真っ先に口を開いた黄瀬はこれからやること、つまり戦うことを想像したのか顔を青くして抗議する。
協力しなければ自分達の衣食住はどうなってしまうのか。
頭では分かっていてもすぐには受け入れることは出来ない。
そんな時、黒子が彼に呼びかけた。
「落ち着いてください。何も一人で行動するわけではありません。僕達がついているでしょう?」
「誰一人死なせやしないさ。何かあれば全て俺が責任をとる」
バスケを通して教えられたチームの大切さを改めて実感する。
それに赤司のこの言葉。今でこそ学校は違うがその信頼は今でも残り続けている。
「……そうっスね」
分かったっス。そんな黄瀬の言葉が合図となり、それぞれ覚悟を決めた顔付きになった彼等の視線は目の前にいる少女に向けられた。
「交渉成立ですね!」
その視線に応えるように嬉しそうにはしゃいだ少女は、それでは場所を変えましょう。と張り切った声で悠々と部屋から出られる扉へと向かった。
けれど扉から出る前に、あっ、と何やら思い出し、振り向き両手を前に広げにこっと笑いながら告げた。
「ファンタシースターオンライン2 ship1 フェオサーバーへようこそ!」
――――――
別サイトにもあげてます。
書きたくなったので書いてみました。
EP5の新クラスは英雄らしいですね。
ヒーロー(笑)
英雄称号取ってある私に死角はなかった。
そんなことよりバランス修正多すぎじゃないですかあれ。
Su,Fo,Raの私は無事死亡しました。
お疲れ様でした。
防具のエーテル・ファクター6sとゼイネ8s作ったら引退ですね!