「森羅万象をつまびらかに判じる冷たき王の愛妹、フェーリーキタス」

この手は使いたくなかったんだけど。
そう思いながらレフトにコールし、僕と同じマントを靡かせて対照的な右側の長い髪を揺らしながらフェーリーキタスが現れた。

「ミセリアが私をコールしてくれるなんて嬉しい……! あ、今はキリかな」

僕とソックリの容姿をした彼女は出てきた途端対戦相手そっちのけで話し掛けてきた。
ミセリアとフェーリーキタスはとてもよく似ていて、唯一見分けがつくのは髪の長さと対照的な髪型と体付きぐらいだった。名前の時は可愛らしい少女だか、フェーリーキタスになると可憐で美しく残酷な立ち回りから女王と周りから恐れられてさえいる。
実際は名前の時もフェーリーキタスの時も性格に大差はないと思うが、人前に出るとドS心が過剰に表に出てしまうらしい。

「折角キリがコールしてくれたんだから頑張らなくちゃ。ちゃんと守ってね」

「ミセリアと同じライフリンクは10だからね。それに僕は君を守りきれなかったことはないよ」

策はある。自信ありげに微笑んで見せれば、名前は「素敵…」と両手を顔の前で絡ませて恍惚な笑みを浮かべた。

「期待してるよ」

僕は手札を見て相手と目が合えば、勝ちを見据えたように笑みを浮かべた。
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