「ミセリア…あっ……」

今は学校にいるというのに、キリのことをミセリアと呼んでしまう。周りを少し見渡せば誰も気にしてないようで安堵する。

「ダメだな、キリって名前呼びなれない……」

私はキリの目の前の机の椅子を借りて、キリの正面の椅子に座った。
数万年もこの名前だが、いつでもどこでも「ミセリア」呼びの私には全然なれない。キリは少し笑った。

「この名前は名前がつけてくれたから結構気に入っているよ。だから名前には両方の名前をきちんと分けて呼んで欲しいな」 

「………私も名前って名前キリがつけてくれたから結構好き」

私たちは人間界に降りるとき、お互いの名前を決め合った。そんな大昔のこと、キリが覚えていてくれて私は少し嬉しかった。 
私の「フェーリーキタス」という名前はミセリアに比べて長いし愛着がなさそうな名前なのであんま好きではないが、キリが私の名前を読んでくれることでこの名前が好きになる。名前という名前もそうだ。キリが呼んでくれるから、この名前を好きになる。

「はぁ……キリ好き」

「ええっ! ここ人がいっぱいいるから辞めてよ……」

キリは恥ずかしそうに顔を真っ赤にしながら言う。そんなところが可愛い。
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