三角水王ミセリアには兄妹のモンスターがいた。
その名前は「フェーリーキタス」と言い、同じダンジョンWのモンスターだ。彼女も兄のミセリアと一緒に人間界に来て、数百万年も彼と一緒に過ごしている。氷竜名前と言う名前を使って。

私はキリと違って人の死に悲しんだりはしなかった。
所詮人間は短い命で燃え尽きるとわかっていたから。しかし、キリはわかっていながらもそれをまともに受け止めるのは困難であった。なので、シュタインブレイド・ジョーカーと一緒にキリを支えていくのを決めた。
今のキリは記憶の欠片を自分の体に全て取り込んで、三角水王としての意識を持って過ごしている。アイスブレイド・ジョーカーとしてキリの側にいた彼も力が解放されシュタインブレイド・ジョーカーになった。ヤミゲドウも封印し、この世は平和になった。

今日もどこかでキリはバディファイトをしている。





ミセリアと言う名前は「不幸な」と言う意味。私の名前のフェーリーキタスは「幸運な」という意味。対な名前でも私らは兄妹だ。ミセリアは兄という気がしなく、とても優しく、気弱なくせに芯が太い。そんな兄を、私は「守ってあげなくちゃ」って思ってる。守ってあげたいぐらい、私はミセリアが好き。

「ミセリアは私をバディにしないの?」

ふと聞いた。するとデッキケースからシュタインブレイド・ジョーカーが出てきて「ななななーんと!!」とパル子ちゃんみたいなことを言って驚いた。

「しないよ。名前はバディじゃなくて僕の唯一の家族だから」

キリは私の微笑みながら言った。私自身はバディファイトをしないので、いつでもキリのデッキに入っても大丈夫なのだが入れてもらえない。その理由を聞けば、いつも「名前が相手に倒されるのを見たくない」と言うくだらない理由だった。
モンスターは倒されてなんぼだと思っている私には少し理解しがたい理由だったが、キリは「名前が僕の前から永遠にいなくなるようで怖いんだ」と呟きを零したことがあった。 
それを聞いて、私はより一層「ミセリアの側にいなきゃな」と心強く思った。この立場はシュタインブレイド・ジョーカーにも譲りたくない。
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