神童兄 | ナノ
初めの話

俺の兄さんは海外で活躍する若社長だ。
神童財閥グループの会社を海外に進出させ、多国籍企業を目指したいとお父さんに賭けを申し出た兄さんは、数年前にこの家から出て行った。
それから海外では神童財閥のグループの商品がヒットし、今では大繁盛しているらしい。
お父様と兄さんの賭けは、「兄さんを後継にするか否か」の賭けで、兄さんが買った暁には神童家の後継が俺になると言う話だった。
俺は別に後継の話には興味がないのでなる、ならないはどっちでも良かったのだが、「何故兄さんは後継を拒むのだろう」と疑問に思い、一度電話で聞いたことがあった。
その時の返答は「俺より拓人がなったほうが財閥のためだし、俺は自由に生きたい」だった。
兄さんは自由奔放で、頑固な人だ。自分の決めた意見はとことん貫き、それをやり通す人だ。そんな兄さんを俺は尊敬しているし、憧れを抱いている。

そんな兄さんが今年の夏休みの期間に帰ってくると聞いた。
夏休みまであと一週間ほど、俺は久々に兄さんに会うのが楽しみでたまらなかった。
兄さんが家を出ていったのは俺が小学生の時、現在は中学二年生。
少しでも成長した俺を見て欲しいと思っている。

そんな想いを胸に滾らせながら夏休みまでの生活を満喫した。
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