春は私が花粉症なので好きじゃないが、草花が咲き誇る綺麗な季節なので嫌いでもない。
みつきと桜を見ようと、人気の少ない夜の公園に出かける。
少し肌寒いため、みつきにタートルネックを着せた。
小川が流れている公園へ行けば、小川には桜が散りばめられていて、月明かりに照らされてとても綺麗だ。
ベンチに座り、買ってきた三色団子をみつきと一緒に食べようかと思ったら、餅は詰まり易いから食べれないと言われ、一人で食べることになった。もっと早く言って欲しかったよ。
一人で三色団子を食べ終わり、少し散歩するとみつきが小川の方に興味を惹かれて「見てくださいマスター!」と言いながら私を置いて走って行った。
私は近くの岩に腰をかけ、桜で染まっている小川を見て楽しんでいるみつきを眺めていた。
すると岩の上に木から落ちてきた枝付きの桜があり、それを手に取った。
みつきの名前を呼ぶと、彼は小川からこちらに来る。みつきの被っているニット帽に折れた桜の枝をさしてやれば、みつきは何が何だかわからなそうな顔をしたので、カバンから鏡を出し、スマホで照らしてみつきにニット帽に刺した桜を見せてあげた。

「これは、ボクよりマスターが付けたほうがいいんじゃ……?」
「私はみつきに付けて欲しいんだよ」

私は微笑みながら言うと、みつきは素直にお礼を言ってくれ、再び彼は小川の方に行った。


人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -