雪が降った。
ベランダに出て雪の積もり具合を見ていたら、みつきもベランダに出てきて、物珍しそうにベランダの淵に積もってた雪を触った。
それを触ったとたんみつきはびくりと肩を揺らし、首についている鈴を鳴らしながら部屋の中に戻ってしまった。
いきなりの冷たさに驚いてしまったんだろう。
部屋の中に戻ると、みつきは寝室で布団にくるまっていた。
私はそんなみつきを見て少し笑ってしまった。
そして部屋の暖房をつけ、みつきに「もう寒くないよ」と言った。
みつきは恐る恐る出てきて、ソファーの上で膝を抱えて座った。
私はキッチンで昨日の余ったシチューを温め、それをコップに注いでみつきの隣に座る。
シチューをすする私を、みつきは見つめてきた。

「ボクにも一口くれませんか? 見ててとても美味しそうなので……」

みつきにそんなことを言われ、口に含んでいたシチューを口から溢しそうになった。

「い、良いけどさ、食べて大丈夫なの?」
「はい、少量なら大丈夫です」

みつきは自分のお腹を触りながら言う。
みつきがそう言うなら大丈夫なのかな、と思い、私はコップをみつきに渡した。
一口飲み、みつきは「温かくて美味しい」と言った。
みつきからお礼を言われ、コップを返してもらった。
返されたコップのシチューをもう一回飲めば、ほんのり甘い香りがし、玉ねぎの甘い味に体があったまる。
みつきに味覚があるのかは分からないが、この暖かさは伝わったのかな。


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