肌寒い通り越して寒い季節になってきたので、帽子をみつきに被らせて一緒に散歩したいなと思い、みつき用のマフラーや帽子を買ってきた。
みつきを呼び寄せ、着替えさせる。
茶色のダッフルコート、ネックウォーマーとニット帽で寒さ対策準備満タンにする。 
猫型アンドロイドだからか寒さにはめっぽう弱く、いつも布団にくるまって寝ている。暖房をつければ布団から出てくるが、いつもそれまでが大変なのだ。

「寒くない? 大丈夫?」 
「大丈夫です」

みつきは微笑みながら言った。
外に出て散歩ついでに買い物に行った。買い物の帰りの時のみつきは、ほっぺと鼻が赤くなっているのを見て、可愛いなと思った。


家に帰ってくればみつきは自ら暖房をつける。最近つけ方を教えたばかりだ。
私は自分のコートを脱ぎ、みつきは部屋着にすぐさま着替える。
みつきは何枚も服を着るのが嫌なのか、出かけたあとはすぐ部屋着に着替えたがる。
黒いスエットなのだが、みつきは黒がとても似合う。
私はみつきが着替えている時、買ってきた物を冷蔵庫に入れていた。
着替え終わったみつきが「ボクも手伝いますね」とキッチンに来たが、私が今持っている牛乳で冷蔵庫に仕舞い終える。

「ごめん、終わっちゃった」
「いえ。その代わりに今日の晩御飯はボクが作りますね!」
「ほんとに? ありがとう」

みつきの作るご飯は外食よりも美味しくて、最低週に三回はみつきにご飯を作ってもらっている。
みつき自身はご飯は食べなく、代わりに全身に組み込まれているソーラーパネルで陽の光を電池に変え、それで動いている。陽の光を浴びるだけで勝手に蓄積されるらしい。
物凄くエコだが、時には太陽電池じゃ足りない時もある。
そんな時はみつきの背中の蓋を開け、そこからコードを引っ張り出してコンセントに繋ぐという手もある。
私はまだ一回もその方法を試したことはないが、膨大な電気量が必要らしい。
みつきは暇なときがあると窓際で陽の光を良く浴びているの。それを見ると、今は邪魔しちゃいけないな、と思うことがある。


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