最近、人型に猫耳と猫の尻尾が生えたアンドロイドを景品で貰った。 

ロボット会社のネットアンケをやると抽選1名様に貰えると言うのに少し興味を持って送ったところ、まさかの当たってしまった。 
アンドロイドの容姿は私の好みのど真ん中で、軽い気持ちで当たったら嬉しいなとか思っていたらこの有様だ。  

届く前にロボット会社から電話が来て当選したことを知らされると、お名前を決めてくださいと言われて少し戸惑った。名前は自由に決められるらしく、買う前に名前を会社の方でインプットして貰うらしい。私はなんとなく「みつき」と名付けた。 


今日の朝、ロボット会社から大きなダンボールが来た。 
例のアンドロイドが入っていると思うと、何だか怖い気がして開けるのを戸惑ってしまう。
ガムテープを剥がして箱を開けると、ネットの画面でみたものと同じものが入っていた。
ダンボールの中で膝を抱えて入っている様子で詳しくは分からないが、結構大きく、小学生高学年から中学生ぐらいの大きさだ。
 
説明書が入っていたのでそれを見てスイッチの入れ方を探していると、ダンボールの中からパソコンを立ち上げたような音がし、ダンボールを見ると、アンドロイドが顔を上げゆっくりと目を開いた。
アンドロイドがこっちを見て、私と目が合う。

頭に猫耳が生えていて、首には猫を連想させる鈴付きの黒い首輪。
上半身を見る限り服を着ている様子がないのでその光景だけ見ると、まるで擬人化した猫がダンボールの中に入って捨てられているようだなと思った。
名前をインプットして貰ったことを思い出し、緊張しながらも呼んでみた。 

「……みつき…?」 
「……マスターですか」

アンドロイド、みつきの声は外見に似つかず、人間で言うと声変わりした声だった。
私はみつきに返事をすれば、みつきはダンボール箱から出てきて、私の目の前座った。 
みつきの背後で揺れている黒い尻尾が物凄く気になる。

「改めまして、商品番号005の愛玩ドールです。ある程度のことなら掃除、洗濯、料理も出来ます。これからよろしくお願いします」 

目の前で礼儀正しく正座をされ、軽く頭を下げられ、私もそれに釣られて頭を下げた。
"愛玩ドール"と聞いて何だかいやらしい響きだな、となんとなく思った。

「こ、こちらこそよろしくね」

家事が出来ると聞いて、一人暮らしの私には嬉しい機能なので是非とも使ってやろうと思った。
上京して一人暮らしで彼氏も友人もいないぼっちな私の生活に転機のチャンスが来たので、これを気に少しでも楽しくならないかな、と思いながら私はみつきと一緒に住むことを決意した。


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