お正月休みは嬉しいが、あまりにも休み過ぎると逆にだるくなる。外に出ようと思っても人混みに酔うし、福袋とかは自分に運がないのはわかっているので買う気も起きない。初詣は明日にでも行けばいいや、と思ってから2日ぐらいたったので多分行かないだろう。
今日もゴロゴロしようとこたつに潜りながらテレビを眺めていると、みつきが尻尾を揺らしながらお菓子とお茶を持ってきてくれた。

「外に出ましょうよマスター、せっかくの休みなのに」
「寒いからやだ…行くとこないでしょ…」
「ボクはあります。買い物に行きたいですし、あと神社にも行きたいです!」

御参りする事でどんな御利益があるかを長々と喋るみつきは、口煩い田舎のおばあちゃんと重なって見えた。運が悪い時は悪いし良い時は良い、それじゃ駄目なのだろうか。面倒臭いなあと思いながらみつきの話を右から左へ聞き流していると、いつの間にかみつきの顔はしかめっ面になっていた。

「ボクの話聞いてますか?」
「うんうん聞いてるよ」

私の適当な返事により不機嫌になると、そっぽを向いてしまった。尻尾はパタパタと左右に揺れていて、確かに不機嫌な証。私は少しだけ申し訳なくなったのでやっぱり外に行こうと誘うと、瞬時に機嫌を直して笑みを浮かべてきた。さっきのは私にこの言葉を言わせるための演技だと知り、一本取られたと思った。

「早速出掛ける準備をしますね、マスターもお早めに!」

早速私の寝室に篭って着替えを始めたみつきは、とてもワクワクしている様子だった。


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