俺はそろそろ帰ろうと車のエンジンを付けると、流していたラジオから警報のような音が鳴り、その音に驚いて少し体をビクつかせた。


「緊急速報です。たった今入った情報によりますと、大量殺人犯が逃亡中との事です。名前は飯田リンタロウ(18)新村コウ(21)。何か情報を知っている方は次の電話番号の方に連絡をお願いします」


俺はラジオから流れてきた名前を聞き、心が少しざわついた。まあ、同じ名前の人なんてこの世にごまんといるので特に気にする要素なんて無いが、以前2人を探し出すときに母方の性が飯田だった事を思い出し、変な偶然もあるんだなと思った。俺は少し気になったのでスマホを取り出すと、さっきの指名手配犯の事を調べ始めた。よく警察署の前の掲示板とかに指名手配犯の顔写真が載っているのを見るので、まさかな、なんて思いながらも探すとすぐにヒットして画像が出てきた。


「……嘘だろ…?」


2人の顔写真がある中、片方は俺の知っているリンタロウとそっくりな顔立ちをしていた。風貌は全く違うが、数ヶ月も一緒に住んでいたんだ、わからないはずがない。画像の下に表記されている名前を見れば飯田リンタロウ(18)と書いてあり、俺は手が微かに震え始めた。
どういう事だ、リンタロウが指名手配犯だなんて。他にも情報が無いかと調べるが、事件の詳しい内容は書かれていなく、ただ大量殺人とだけ記載されていた。まあ、今さっき指名手配の情報が入ったので、公開されていないのかもしれない。続報が来るのを待とうと思ったが、俺は気になってしょうがなかったため、スマホのタブを全部閉じて電話帳を開くと、こういう情報に縁のある人に電話をかけた。久々に電話を掛けたため、どうやって出ようかと呼び出し音を聞きながら考えていると、相手が「もしもし」と喋りだした。


「久しぶりだな、リンカ」





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