「君ももう僕のお人形という枠に囚われず好きなことをすればいい。

その言葉を聞いた途端、俺は崖から突き落とされたような感覚に陥った。地面に叩きつけられた体が痛く、恐怖が頭の中を支配していて上手く頭が回らない。痛さに耐えながら息をするのがとても辛く、心臓が何時もよりも早く動いているのがわかる。
自然と涙が目に滲んで視界が歪む中、斎宮は更に話を続けた。

「せっかく嶺麗しい容姿をしているのだし影片のようにモデルなどしてみたらどうかね? 無理にとは言わないけど」

…お前が必死に手入れしてきた俺をそんな易々と世にさらけ出して良いのだろうか。こんなに尽くしてきたのに、俺は結局客寄せパンダだった。
悲しみよりも苛立ちが募っていき、斎宮の顔が見れなくて下ばかり向いていると更に視界は歪んで涙がスボンに染みを作った。

「もっと自信を持ちたまえ。君は僕の最高傑作だった」

もうそんな言葉、聞きたくなかった。