夜の孤児院の見回りが終わると、俺は自分の部屋に戻ってすぐさま寝やすい格好になった。ここ最近寝不足でずっと疲労感があり、今日に至っては太陽な下に出る度目がチカチカしていて、絶対早く寝ようと考えていた。俺は布団に横になって毛布を掛けると、睡魔に途端にが襲い掛かられて身体が沈んで行くのがわかる。やっと寝れる、そう思っていると、部屋の扉が音を立てながら開くのがわかった。


「……脱ぎ散らかすな、男主」


それはジルオだった。ジルオも見回りを終えたのか自室に戻って来て、俺の脱ぎ散らかした服を見て怪訝そうな顔をしているのだろう。多分。俺は適当に返事をして大きな溜め息をつくと、呼吸を整えて再び寝に入った。ジルオも俺が疲れているのは知っているはずだから今日ぐらい許してくれるだろう。そう思っていると何やらガサガサと音が聞こえ、俺の物を代わりに片付けてくれてんのかな、と淡い意識の中思っていると俺の頭に影が差した。何だろうと思い重い瞼を少し開ければそこにはジルオの顔が近くにあり、更に近付いて来たのでキスでもされるのかと思ったらおでこに強烈な痛みが走った。


「…!?!!、?」


唐突の行動で混乱する中おでこを抑えて少し覚めた目でジルオを見ていると、また更に近付いて来たと思ったら今度こそキスをされた。唇では無くその横だったけど。素直じゃない奴、と思って眠気眼で頭をポンポンと撫でてやれば、ジルオは照れくさそうにしてそっぽを向き、俺は軽く笑みを浮かべた。


「……さっさと寝ろ」


ジルオは照れた表情を見られないようにそそくさと俺から離れると、先程の事が無かったかのように冷たく言い放った。そんなジルオに可愛いと思って胸の内が暖かくなると、今夜はぐっすり眠れそうだと思いながら「おやすみ」と告げて目を瞑った