朝起きると異様に体がだるく、喉がイガイガして頭が痛かった。
取り敢えず起き上がってパジャマのままリビングに行くと、私の姿を見たお母さんが心配そうに近寄ってきた。


「顔色が酷いわ、どうしたの?」


お母さんが私のおでこを触り、温度を確認する。熱いわね、と言うとお母さんは戸棚から体温計を取り出してきたのでそれを受け取って脇に挟んだ。
ソファーに座って音が鳴るのを待っていると、朝ごはんを作ってたであろうお父さんも私に近寄ってきた。


「あら、ガッくん……名前が風邪引いちゃったらしくて……」


お母さんがお父さんに話していると、脇に挟んでいた体温計が鳴った。そこには38.3度とあり、お母さんとお父さんはそれを見ると、今日はゆっくり休みなさいと言った。
そしてお母さんに無理矢理部屋まで連れてこられ布団の中に押し込まれると、お絞り持ってくるわね、と言って部屋を出て行った。
大丈夫かと不安になっていると何かが落ちたり割れたりしたような音が聞こえてきて、心配がさらに膨らんだ。何も無かったような顔でお母さんが洗面器とタオルを持ってきたが、下ではお父さんが後始末をしているのかと思うと何だか申し訳なくなる。


「今日は早く帰ってくるわね」

「……別に大丈夫だよ…寝たらすぐ治るだろうし」


額にはびしょびしょのタオルが乗せられ、お母さんは私の頭を撫でた。するとお父さんがおかゆを作ってくれて、食べさせてやるぜとか言われたけど丁寧にお断りした。
早く自分の支度しなよと2人を部屋から追い出し、お粥の熱を冷ましながら食べ始める。ほんのりと卵の味がして暖かく、とても美味しい。あっという間に食べ終わると、いつの間にか置いてあった薬を飲んで布団に潜った。自分で額にタオルを乗せ、目を瞑る。お父さんとお母さんに私のために手を焼かせてられないので、早く治そうと思いながら眠りについた。