今日はいつもネットゲームで絡んでる人と会う約束していた。
予定の時間より早く来てしまい、私は連絡が来ていないか携帯をチェックしたり身だしなみを整えたりして忙しなくしていた。
きっかけはいつも通り話していたらいつの間にか住んでいるところの話になり、同じ県に住んでいるとわかってしまったので、冗談交じりで会いたいね、なんて言ったら会うことになってしまった。
とても信頼しているし優しい人なので危なくないとは思うが、やはりネットで繋がった人と会うのは少し怖い。
もし怖い人だったらどうやって逃げよう…、そんなことを考えていたら携帯が震えた。
携帯を開くと、1件のメッセージが来ていた。そこには服の特徴と今いる場所が書かれていた。私はそこに行ってあたりを見回すと、書いてある特徴と一致する人を見つけてとてもテンションがあがる。
また身だしなみを整え、勇気を出して声を掛けてみれば、彼は笑顔で返してくれた。


「名前、だよね?」

「は、はい……シラ、バス……?」


リアルの彼は、PCと雰囲気が似ていて何だか感動した。
実際にあってみてリアルでの印象と全く変わらなく、優しい人でよかったと安堵した。


「あはは、名前もネットと変わらないね。改めて自己紹介するね、森野優一です。よろしくね」

「苗字名前です、よろしくお願いします!」


私達は挨拶を済ませると、森野さんが「どっか喫茶店にでも入る?」と聞いてきたので、私はそれに賛成して一緒に歩き出した。