「あら、カオスじゃない。お友達と一緒なんて珍しいね」

「げげっ、アネキ…!?」


お母さんに頼まれてカオスを探していたら、近くでムシバトルをしている声が聞こえたので見に来て見ると、案の定そこにはカオスの姿があった。
私の顔を見た途端嫌そうな顔をする弟に、何度か面識のあるカナトくんが一緒にいて、カナトくんは私を見ると嬉しそうに駆け寄ってきた。


「どうしたの?ムシバトル見に来たの?」

「ううん、お転婆坊主を捕まえに来たの。お母さんが話したいことがあるんだって」

「ギクッ!? オフクロが……?」

「ムシバトル終わってから連行するからね」


ギロりとカオスを睨みつければ、カオスは蛇に睨まれたカエルのようになった。
逃げようとしたので腕をしっかり掴むと、いつもの威勢のいい表情からは全く想像もできないぐらいの焦った顔になり、そんなカオスに対してカナトくんも「こんなイスルギJr.初めて見た……」と唖然としていた。