「男主、コンパス貸してくれ!」

「男主、一緒に飯食おうぜ!」

「男主、帰ろうぜ!」


毎度俺のクラスに来るユーゴに対して、俺のクラスの人はそれを日常茶飯事のように対応していた。
ユーゴと俺は隣のクラス同士であり、幼馴染でもある。
ユーゴは四つ子の末っ子であり、特にユーゴは俺に何かと頼ってくる。
俺と同じクラスには遊矢とユートがいて、隣のクラスにはユーゴ、その隣にはユーリがいる。
この四つ子と幼馴染の俺は、そいつらに何かあると兄弟と一緒に俺も呼ばれることがある。


「男主、今度の日曜暇? 君が見たがってた映画のチケットネットで買う予定なんだけど」


ユーリが紫色のスマホの画面を俺に見せながら行って来た。


「ああああ行きたい! お願いしますユーリ様」

「僕も見に行きたかったしね。お金は貰うよ」

「勿論」


すると、横でユーゴが「抜けがけずるいぞ!」と叫んだ。


「ユーゴは毎日抜けがけしてるじゃないか」

「飯食おうとしても帰ろうとしてもいつもお前らが一緒に来るだろ!」


ユーリとユーゴが言い合いしてるのを見て苦笑いをする。
すると横でユートが俺の名前を呼んだ。


「そう言えばこの間男主の欲しがってたゴッドレジェントのカードがガチャで出たんだ」

「マジ? あのマリーアントワネット?」

「ああ、俺の目当てじゃないからお前に」

「くれるの……?」

「ああ」

「うわああああユート神かよ好き」


ユートとはゲームの話で盛り上がり、同じゲームをやっていて一緒にクエストを攻略したり、資材集めしたり、お互いの欲しいキャラカードなどを交換する中だ。
特にユートは引き運が強く、俺の欲しいキャラばっか当てては俺にくれる。
感謝過ぎて極まりない。


「ユート今度はいくら課金したんだろうな」

「今回は安く済んだらしいけど、2000円ぐらいか?」

「良くゲームに金なんて使うよね」


そんなことを遊矢とユーゴとユーリが話していたのを俺は知らない。