そろそろ席替えが近いのでクラスの女子達が誰の隣になりたいかと話し合っていた。
正直、五月蝿いやつ以外なら誰でも良いのたが、強いて言うなら田西マイケルくんが良いかな、と思っている。
前に隣の席になったことがあって、大人しいし優しいので消しゴムとか鉛筆削りを良く借りてた。今の隣は小鰭くんで、田西くんみたいに優しくはないけれど面白かった。
次も面白い席がいいな、と思ってくじを引くと2と書いてあり、黒板を見て位置を確認すると机を移動した。


「隣は苗字かよ」


移動した席の隣にいたのは鮎川だった。
私は明らかに嫌そうな顔をし、鮎川に「ひでー」と言われる。こっちのセリフだわ。
前の席には港がいて、港にも「苗字かよ」と言われた。お前ら私になにか文句あるのかよ。
私は無視し、後ろは誰かと振り向くと、そこには田西くんがいた。


「田西くんじゃん! またいろいろ借りるかもしれないけどよろしくね」」

「うん、苗字さん良く忘れるしね」


田西くんは悪気のなさそうに言うのでこの野郎、と思ったが事実だしめちゃくちゃ可愛い笑顔だったので全て許した。
隣と前が最悪だが後ろを向けばオアシスなので、次の席替えまで耐えることに決めた。