寝る直前に布団に入ると布団が冷たくて目が覚めてしまうことが良くある。
今日もひんやりした布団に一回入り暖まるまで眠気を呼び戻そうとしたが、寒さに耐えきれなかったため部屋から出て居間に向かった。
夜中だからか誰もいなく、冷たい空気が居間を敷き詰めている。
ストーブをつけて、ついでに暖かい飲み物でも飲もうと思い、ヤカンをストーブの上に乗せてストーブに火をつけた。
暫くしてヤカンが沸騰し、コップにお湯を入れてお茶のパックを直に入れ、一人静かに飲む。
仄かに体が暖まる気がし、一息ついた。


「誰か起きてるのか?」


暖かさで眠気がきた所に居間に誰かが来てしまった。
俺は咄嗟にお茶を飲み干し、ストーブを消した。


「男主じゃねーか」

「なんだ、ユーゴか」


俺は安堵のため息をついた。 
リンに見つかっていたら資源がうんたら〜と説教をされていたと思う。
そんな俺にユーゴは何をしていたのかと聞いてきた。


「布団冷たくて寝れなくてさ、体を暖めて布団入れば寝れるかと思って…。ストーブ使ってたの秘密な?」


俺は唇の前に人差し指を立てながら言った。


「リンはうるせーからな……。なら俺の部屋来いよ! 久々に一緒に寝ようぜ」


ユーゴにそう言われ、俺はそれに賛成した。
ユーゴの部屋に行く前にストーブを元に位置に戻し、コップを綺麗に洗ってユーゴの部屋に向かった。
部屋の電気はつけずそのまま布団に潜り込むと、自分の部屋の布団の中よりも暖かく感じ、そのまんま目を閉じた。
ユーゴと背中を向けて寝ていて、早く寝たいのだがだが背中を触られたりつつかれたりして眠りを妨げられる。
それが嫌でユーゴの方に顔を向けると、窓の外から差し込む月明かりでユーゴの顔がうっすら見える。
暗くて良く分からないが、ユーゴと目が合っているような気がした。


「何でそんなに暖かいんだ? 子供体温か?」

「それを言うなら男主も子供体温だろ。早く寝ろよ」

「俺の眠り妨げた奴が何言ってんだ」


このやろーと思いながらユーゴのほっぺを摘み、腕を組んで目を閉じた。
ユーゴから「いてぇ」と声が聞こえたが、俺は無視をした。
次の朝、起き上がって隣を見れば俺の腹に手を回すユーゴがいた。
すごい夢を見たのはこいつのせいかと思い、朝の挨拶替わりに一発殴るとユーゴは目を覚ました。