最近は指先と足先が寒くて外に出るのを躊躇う。 寝るときも俺の部屋の布団は薄い毛布1枚しかないので、服を着込んで寝ている。 一応部屋にエアコンがあるが、夏の時に故障してしまった以来修理がされていない。 夏は窓を開けていれば風が入ってきてそんなに暑くなかったので、後で直してもらおうと報告を先延ばしにしていた。 報告するのを面倒臭がっていた自分に今の現状を教えてやりたい。 寒いからココアでも飲もうとユーリ専用の食器棚から自分のコップとココアの粉を出す。 ミルクと混ぜるとより美味しいと書いてあるが、肝心なミルクが無いためお湯で飲む。 椅子の上で体育座りをしてココアを飲もうとすると、ノックもせずに俺の扉が開き、ユーリが部屋に入ってきた。
「この部屋さむ。ってか君ダサい服装してるね」
ユーリにそう言われ自分の服を見ると、ハイネックにルームウェアに靴下。 そんな変な格好でも無いと思うのだが。
「で、何しに来たんだ?」
「今度の任務を伝えにね。それより暖房つけてよ」
俺の正面の椅子に足を組んで座るユーリ。 俺はココアをすすってテーブルの上に置いた。
「エアコン夏から壊れてるから暖房も使えないんだよな。修理して貰うの忘れててさ」
「君って馬鹿だね」
ユーリは呆れたようにため息をつき、俺のココアに視線を向けると、手に取って一口のんだ。
「まっず。ミルク入れたの?」
「お湯だけど」
「……早く僕のために暖かい飲み物出してよ」
ユーリは苦虫を噛み潰したような顔をし、ココアを俺の目の前に戻した。 俺はユーリの言うとおりにし、はちみつれもんでも作ってあげようと思い、棚からポッカレモンと蜂蜜を出す。 しょっちゅう俺の部屋に飲みに来るユーリだから、ポットでも用意してくれないかな、と思いながらやかんで沸かす。 沸かし終わってユーリ専用のコップにお湯を注ぎ、ポッカレモンと蜂蜜を少しづつ入れ、かき混ぜたスプーンで少し味見をした。
「はい、どーぞ」
ユーリの前にティーカップをを置いた。 もう冷めてるであろう自分のココアの入っているコップに手を伸ばすと、生憎中は空になっていて、思わずユーリとカップを交互に見た。
「なんか用?」
「あ、いや……」
ココアの中身に関してはあえて聞かないことにした。
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