私がデュエルを始めたのは、伝説のデュエリスト武藤遊戯のエースモンスターのブラックマジシャンに惚れたことがきっかけだった。
今まで生きてて惚れたのはカードの中のモンスターだけで、彼氏すらおろか男子とまともに会話したことも無かった。
そして自分の大好きなカードが活躍できるように自分の腕を磨き、DAに入学できた。
そこで私は同じ1年でオベリスクブルーの服を纏った万丈目さんに興味を持った。
確か1年からオベリスクブルーに入れるのは中等部の成績がトップの人がなれるとどこかで聞いたことがある。
あの人はデュエルが強いんだなー、としか最初は思っていなかったが、彼のデュエルを見てからどんどん彼に惹かれていった。
性格に難があるが、色白で整った顔をしており、カードを持つ手などを見るとやけに艶めかしく見える。
そう思い始めそれを自覚した時には、万丈目さんはレッド寮の遊城十代に負けてこの学園を去った時だった。
周りの皆は万丈目さんの事を蔑んだり、今まで万丈目さんに好意を持っていた女子も何も無かったかのようにカイザーのファンになった。
私は学園から万丈目さんがいなくなって胸にぽっかり穴が空いた感じがして、楽しかった学園生活が少しつまんなくなっていた。
でもある日ノース校との試合で万丈目さんを見かけた時は飛び跳ねるぐらい嬉しかった。
ブルー寮の制服じゃなく、黒いコートを着ていて前よりも1層かっこよく見えた。
そして万丈目さんがDAに帰ってきて、レッド寮に在籍することになってしまったが、それでも私は万丈目さんを嫌いになるどころか前よりも好きになっていた。
明日香から「名前に笑顔が戻ったのは万丈目くんのお陰ね」と言われて全否定をしたがあっけなく「そうね」と言われた。

明日香に引きずられながらレッド寮に連れられ、私は小柄なため女子の中では高身長な部類の明日香に太刀打ちが出来なく半泣き状態だった。


「紹介するわね、彼女は私と同じオベリスクブルー1年の苗字名前よ」


レッド寮の皆がいる前で明日香に紹介され、私は挨拶をした。
その中には足を組んで椅子に座る万丈目さんもいて、私は万丈目さんと同じ息をすっているのかと思うと少しクラクラした。


「ふらついてるけど大丈夫か?」


遊城十代が言った。
それに明日香が慣れたような口調で「万丈目くんがいるからオーバーヒートしてるだけよ」といった。
万丈目さんが「俺?」と不思議がる中私は明日香を一殴りし、睨みつける。
明日香はそんな私に微笑み返した。もー明日香なんて嫌いだ!!