「ユーリ、またデュエルで勝ったそうだね」

「男主!」


俺より二歳下のユーリがベンチに一人で座っていたので背後から話しかけたところ、俺を見たとたん立ち上がってこちらを向いた。


「そんなんじゃ友達できないぞ」

「別にいいよ。僕には男主がいるしね」


ユーリは笑顔で言った。
これは絶対友達できないパターンだな。

それからユーリはオベリスクフォースを率いるぐらいの地位についた。
俺はそんなユーリから名指して直属の部下になれと言われ、周りのアカデミア生とは少し違う服を着るハメになった。
エクシーズ次元の侵略に俺の出頭命令は出されなかったが、ユーリ自身は出頭した。
正直今のユーリはプロフェッサーの命令でエクシーズ次元のやつらをカードにしてるのではなく、自分の意思で楽しくてしている感じがする。
今のユーリと昔のユーリを比べると、昔のほうがもう少し可愛げがあったな、と何度思ったことか。


「もしかして男主、昔の純粋な僕がこの環境のせいで歪んだとか思ってる?」


……よく考えたらユーリは昔から変わんないのかもしれない。


「ふふ、今も昔も僕は僕だよ。それと同じで君は今も昔の僕のものだけどね」


ユーリは俺の前に来ると、俺より少し低い身長で俺の首の後ろに手を回す。
ユーリが俺を少し見上げる形になって、ユーリは俺にいつものフレンチキスをした。