私は小さい頃から、トップスが捨てるアクセサリーの欠片を集めている。
トップスが捨てるアクセサリーは、煌びやかな物や白い玉などのいかにも高そうな物、紐やゴムで出来た安そうな物など様々だ。
その中でも私は小さな穴の空いている白い玉を集めていて、後一つでブレスレットが完成する。
今日もトップスから流れてきたゴミを漁る。小さい穴の空いた白い玉を見つけるにはとても根気がいり、何回も諦めそうになったことがある、しかしそんな時に限って小さい穴の空いた白い玉が見つかるので、変に諦めきれない。
重い箱型テレビを横に移動させ、細々したものが散らばっている所を手で漁りながらお目当ての物を探す。すると、白い玉を見つけた。それを手に取り小さい穴が空いてるか確認したら、穴は空いていた。
私はそれを見て笑みが溢れた。それをしっかり握り締め、私はすぐさま孤児院に帰ってブレスレットを完成させようとし、走った。足場が悪い中走り、運悪く途中で転んでしまった。
硬いものがいっぱいある所にダイブしてしまい、体中があちこち痛い。手の中にある白い玉を確認し、立ち上がってまた走り出した。


「お前、そんなボロボロになってどうしたんだよ…!?」


孤児院に帰ってきて部屋に行く途中でうユーゴに会うと、両方を掴まれて顔を近づけられながら言われた。
私は誤解させないように手のひらの中にある白い玉を見せ、「最後の一個ようやく見つけたの」と言う。


「……なんだ、心配して損したぜ」


ユーゴ両肩から手を離してくれて、そっぽを向き少し照れながら言った。
用があるから、とそのままユーゴと別れ自分の部屋に行く。
机の上にある綺麗な缶を開け、そこには今まで集めた白い玉と細い糸が入っている。
糸に通す前に、今日拾った白い玉を含めた全部の玉を半分ずつに分け、黄色と青の塗料が入っている器にそれぞれ入れる。
それを染め残しと色ムラの無いように万遍無く塗り、窓辺で乾かす。
乾くのがとても楽しみで、今晩はとても長い夜に思えた。


「その腕のやつどうしたんだ?」


朝ごはんの時、ユーゴが私の腕にある青と黄色の交互の玉がついているブレスレットを見て言った。


「今まで集めてた白い玉が集まったから作ったの」

「……お前、色を組み合わせる才能ないな」

「うわ酷い」


ユーゴはそう言ってリンちゃんの方へと行った。
私は子供たちに囲まれて朝食をとり、子供たちからは「ユーゴお兄ちゃんの色だね!」とさんざん言われた。


「名前ちゃんにブレスレットの色の理由聞いてきてあげようか」

「余計なことするなリン!!」