雲.霧.純粋.無垢


雲を頬張るおさな子
雲海に沈む街
雲に託したタイムカプセル
夕焼けの街に雲隠れ
白雲を泳いだ海賊船

雲から降る愛の矢
雲の中を覗き込む太陽
雲に落っことした夢
さよならしたあの日の雨雲
雲を切る鳥の群れ



霧が晴れたらさようなら
霧雨で払い落とす無情
立ち入り禁止は霧の向こう
霧隠れした黒猫の落とし穴
霧の海で心臓を探した

霧散した色はもう掴めやしない
霧を飾る指先の旋律
君の声だけを聞いた霧中
霧が夜に代わるなら
霧を掻き分けた先の奈落


純粋
純粋は夜を助けない
ガラス玉の純粋を抱えていた
飲み干した純粋で息が詰まる
純粋の裏の狂気
エスプレッソに混ぜた純粋の味

這う純粋が糸に縋る
ツギハギだらけの心臓と純粋
純粋が排水管を詰まらせる
純粋をかき混ぜたタイムカプセルの中身
棺の底に眠らせた純粋



無垢
赤を知る無垢な手のひら
無垢が朝を殺すなら
白無垢の中の悪夢
無垢を信じた夜を待つ
無垢な夢が堕ちた月

無垢を嘯く白蛇の抜け殻
カーテンにくるんだ無垢を暴いた
無垢でいたかったカラスの晩餐
詰った無垢が棘を吐く
無垢を彩る豆電球


("雲_霧_純粋_無垢")
雲のような純粋はやがて溶け出す
無垢を置き去りにした雲の中
純粋で無垢でどこまでも清らかな両手に
霧に迷わせた純粋の最期
無垢をかげらす雨雲の陰謀

純粋無垢の白雲はその街を覆い隠す
霧の中で雲を掴むような朝
霧を散らせなかった純粋の懺悔
無垢を形造った雲の秘め事
霧雨が無垢を塗り替える



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