大丈夫、未来はきみにやさしい


「名前、帰りましょう」

明美ちゃんと帰る。

明美ちゃんと仲良くなる前は寄り道とかしなさそうで、話しかけにくいと思ってたけど、案外そんな事なかった。

たまに寄り道して、何か食べに行くこともある。

「名前、今日は何か楽しいことあったかしら?」

「楽しいことー…うーん…そこまで…ないかも」

「そう。まあそんなものよね」

「あっでもね、変な噂聞いたんだー最近また『殺人クラブ』が活動し始めてる…とかなんとか」

殺人クラブというのはわたしの学校に伝わる都市伝説のようなものだ。

殺人クラブの人に目をつけられると殺されてしまうという話。

人が死ぬのならもっと大事になりそうだけど、わたしの学校は人が多いから、気づかれにくいということらしい。

だとしてもそれもどうかと思うけど。
まあ所詮都市伝説だし仕方ないね。

…明美ちゃんの反応が無い。

「…あっごめん!こういう噂とか嫌いだった?」

「…いえ、別にそんなことは無いわ。女の子なら噂話好きよね」

「…うん…なんか…ごめんね」

「いいのよ。気にしないで。…ねぇ名前、貴女は殺人はいけないことだと思う?」

「殺人?」

「法律の問題じゃなくて、貴女の考え、倫理観においてよ」

「うーん…」

殺人。殺人は駄目な事だと思う。…けど、それはわたしが勝手に思ってるだけなのかもしれない。

できないことのように思えるけど、その気になればわたしにも簡単に人を殺せるのだ。

「…出来ればしたくないけど、仕方ない時もあるかも…バレないようにしないとダメだけど」

「ふふっ 優しい女の子に見えて、名前って結構そういうこと言うわよね」

「えー酷いなー」

「嘘よ、名前は優しいわ。私はそんな名前が好きなんだもの」

「わたしも明美ちゃんが好きだよ」

「ありがとう。…名前の家に着いたわ」

「あっほんとだ!いつもありがとう、わたしの家まで送ってくれて」

「名前に何かする人がいるかもしれないでしょう?私が貴女を守りたいだけよ
そう、私は貴女を守らないといけないの…」

明美ちゃんはやっぱりかっこいいな。美人なのに本当にイケメン。

「じゃあまた明日ね!明美ちゃん!ばいばーい」

「えぇ、さようなら」

ただいまー

…そういえばさっきの話、明美ちゃんはサツジンについてどう思ってるんだろ?
さっき聞けばよかったなー

まあ明日聞けばいいか。

…やっぱり今日も楽しかった!




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