本日限定スペシャルサービス。





本日は記念すべき日なので、それなりの演出をしなければ。
2月9日はすごく大切で、大好きな彼女の、







部室のソファを陣取ってポーズを決める。
部員である彼女より先に勝手に中に忍び込んで、早々とセッティングを終えて置いて正解だった。
教師には話を付けてあるし部員は既に追い払った。後は当人が来るのを待つだけだ。

暫くして、ガラガラ、音と共に扉が開く。
それが菜美である事をばっちり確認して、香穂子は言った。


「へい!カモン!」



ぱちくり閉じて開いて。
何事もなかったように菜美が扉を閉めようとするので、慌てて立ち上がって、香穂子はそれを塞ぐ。



「ちょ、ちょっと!どうして逃げるの!」
「どうしてって、あんなポーズ取ってあんたこそどうしたいのさ」



完全に逃げてしまう前にその腕を捕えて部室に引き摺り込む。
それから、大人しくソファに座るように促した。



「もう、ずっと待ってたのにつれないなぁ。今日わざわざこの場所を確保したのは、菜美の好きな部屋で、目一杯祝う為です」
「先生、話が見えません」
「今日、菜美の誕生日でしょ。忘れてた?」
「え、あー、そうだっけ」




他人の事となればやたら詳しいのに、こういう時、自分自身の事にはてんで無知というか鈍感というか。



「だっけ、じゃなくて、そうなんだってば」
「ほんとすっかり忘れてたよ。ありがと」



王崎信武の誕生日も、冬海笙子の誕生日も。率先して祝おうとしてたのに、本当、この恋人は自分を大事にしない。
だから、今日くらいもっと、甘やかしてあげないと。自分で進んでそうはしないだろうから。
ふわふわな金色を手で梳いて口付け一つ。
それから、頬と唇にやわらかく、甘く。


「今日は、いっぱい気持ち悦くしてあげるから覚悟してて」
「や、い、良いから!適度で!」
「遠慮しない遠慮しない」
「してな、いっ…!」


あんまり逃げ出したそうにするから、取り合えず手首を縛って置いた。
優しくするって言ってるんだから、たまにはたっぷり甘えなさい!












20100210 up


天羽さん誕生日おめでとう!




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