90万ヒット企画 | ナノ
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▼ ずっと



あれから。
ミオと出会ってから6年がたった。
一緒に高校を卒業した。
同じ大学にいった。

違う会社に就職した。

それでも俺とミオの関係が離れたことはない。

社会人二年目、俺にもミオにも余裕ができた。


内気だったミオは高校、大学へ進むにつれて徐々に外向きになっていった。
それに対して俺は少しだけ、ほんの少しだけ不安になったことはあったけど、それでもミオはずっと俺の隣にいてくれた。
俺の青春はミオで、ミオは俺の青春だった。




「ごめん、待った、ミオ?」

「ううん、今来たところだよ?」

仕事帰りのデートの待ち合わせ。
ミオはあのころと変わらず純粋なのに、見た目はすっかり大人の女性で、とてもきれいになったと思う。
今日は二人で食事をしようという約束をしているが、いささか俺は緊張していた。

「ねえ、どうしたの京治?」

「え、なにが?」

見透かすようなミオの言葉に俺はぎくりと肩を震わせた。

「何がって。隠せてるつもりなの?」

ミオはくすりと笑う。
長い付き合いだ、ミオには俺が緊張しているのがわかるのだろう。
俺は観念することにした。

「はー。隠しても無駄か。じゃあさ、よく聞いてね」

「うん」

俺は足を止めるとミオをまっすぐに見る。
ミオは優しく笑っている。

「ミオ。これから先、ずっと俺の隣にいてくれませんか? 結婚してください」

言い終わって俺は鞄からリングケースを取り出しひざまずく。

「え。……ええ!?」

この演出はやりすぎかとも思うし正直俺も恥ずかしい。
本当はミオか俺の部屋でプロポーズする予定だったけど、こうなったのはミオも悪い。

周りをすれ違う人たちはほほえましく俺たちを見ている。
はずかしい。

「あの、ミオ……返事は?」

「え、うん。うん、うん! よろしく……お願いします!」

ミオはそういってぽろぽろと涙をこぼす。
俺は立ち上がってエンゲージリングを取り出すと、それをミオの左手の薬指にはめた。

「ぴったり……」

「当たり前だよ。何年の付き合いだと思ってるの? ねえ、ミオ」

俺は困惑するミオを抱き寄せる。

「ずっとずっと。高校のときよりずっと愛してる。絶対に幸せにするから」

お互いの気持ちを確かめるようにいえば、ミオは返事の代わりに俺を力強く抱き返してきた。

これまでも、これからも、俺の隣には君がいる。
ずっと、ずっと。



FIN
――――――――
90万ヒット企画です。投票ありがとうございました。

「内気な木兎妹」
「同級生で敬語じゃない赤葦」
「紳士」
「プロポーズ」
「ラブラブなお話し」
以上の設定を盛り込ませていただきました。

「かっこいい」
「存在がヤバイ」
「赤葦くん大好きです!もうイケメンすぎる」
はい、管理人もそう思います。
また、お祝いメッセージ等もありがとうございました。
これからも当サイトをよろしくお願いします。


151021


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