*高校生お嬢様エルザ×執事ジェラールの現代設定
「お嬢様、お迎えにあがりました」
校門の前で友達と話していると聞きなれた声がした。
振り返ってみれば、やっぱり彼で。
「うん、ありがとうジェラール」
父がつけてくれた専属の執事、ジェラールだった。
その整った顔立ちに青い髪、目元の刺青などに、一緒に話していた友達がなんとも言葉を失っている。
まぁ青い髪なんて中々ないから当然か、と内心で思いながらジェラールに手のひらを向け
「ルーシィ。こちら執事のジェラール・フェルナンデスだ」
と一言いえば
「初めまして。わたくしエルザお嬢様の執事をしておりますジェラールと申します。以後お見知りおきを」
と彼は丁寧に頭を下げて挨拶をする。
それにつられるようにしてルーシィも慌てて頭をぺこぺこと下げて挨拶をした。
「は、初めまして!エルザさんの友達のルーシィ・ハートフィリアです。よ、よろしくお願いいたします」
いたします、なんて言葉がルーシィの口から出てきて思わず苦笑気味になってしまう。
どうやらジェラールの敬語に影響されたらしい。
「こちらこそよろしくお願いしますルーシィ様」
どこまでも丁寧なジェラールにルーシィが緊張しまくっているのが分かる。
見た感じもうガチガチだ。
「ルーシィ、私はもう帰るが…良かったら送っていこうか?」
そんなルーシィを助けるべく会話に混ざると、彼女は緊張が少しは和らいだのかいつも通りの口調に戻る。
「うぅん。せっかくだけど、あたしロキと帰る約束してるから大丈夫だよ!ありがとうエルザ」
「そうか。ならいいんだ」
それじゃあ、と手を軽く振るとルーシィはバイバイと言って同じように手を振ってくれた。
その後すぐに近くに停めてあった車に乗り込む。
勿論ドアの開閉は執事であるジェラールの仕事だ。
運転席にジェラールが座る。
エルザは後部座席。
「エルザ様、今日は」
「敬語」
エルザの目線は窓の外で、彼が話をするのを遮って一言ピシャリといい放った。
チラリ、と視線をずらせば呆れたような顔をする彼が見える。
そんな顔をされたって嫌なものは嫌なのだ。
「エルザ、今日は学校どうだったの?」
執事ではなく、素に戻ったジェラールに満足して満面の笑みになる。
「いつも通り、みんな元気に登校していた。今日は欠席者無しだったしな」
生徒会長になったからにはやはり全校生徒無遅刻無欠席、とまではいかないがせめてその数を減らしたい。
だから今日の全校生徒が登校してきたのは本当に嬉しいことである。
「ジェラールは、今日はどうしていたんだ?」
「俺はいつも通り家のことをしていたよ」
後部座席から体を乗り出して前のめりに運転席に顔を出してみる、と気づいたジェラールがはぁとため息をつくのが分かった。
「危ないですよ」
「……また敬語に戻った」
「エルザ様がきちんと座席に座って下さるのならやめますが?」
「……卑怯者」
そう言われては大人しく座るしかあるまい。
しかし、ここからだと彼の顔がよく見えないのだ。
エルザはそれが不満でならない。
「なにぶすくれた顔してんの」
「…別にぶすくれてなどいない」
「嘘つけ」
ミラー越しに合った目にプイッと視線を反らす。
子供じみた態度をとっているのに自覚はあったが、どうにも直すことが出来ない。
「エルザ」
名前を呼ばれて視線だけをそちらにくれてやれば、信号で止まったためかジェラールが首を捻ってこちらを見ていた。
「なんだ?」
上々不機嫌ながらも、返事をするエルザにジェラールは困ったように微笑んだ。
「明日予定ある?」
「別にないが…」
特にこれといってすることはないのでそう言うと、じゃあ決まりだなと彼には満面の笑みを浮かべる。
なにが決まりなのだろうか?
さっぱり意味がわからない。
「明日、デートしにいこうか」
「…えっ!?」
デート!?
デートってデートだよな。
恋人同士が云々の…。
「エルザが好きそうなケーキ屋さんを見つけたから、いかないか?」
「いく!」
二つ返事で目を輝かせると、丁度信号が青に変わって車が動き出した。
ジェラールも前に向き直り車を進める。
「それじゃ明日の休日は可愛くお洒落したエルザが拝めるのを楽しみにしてるよ」
「ぜ、善処する…」
可愛くお洒落、とはハードルが高い、が期待されたからには頑張らないといけない。
家に着いたらさっそく明日のコーディネートを考えなくては。
なにせ、珍しく彼からのお誘いなのだから。
ミラー越しに、今からうきうきと胸を踊らすエルザに、ジェラールはやはり温かく笑みを浮かべるのだった。
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ジェラール→←←エルザ
とみせかけての
ジェラール→→←←エルザ
みたいなw
二人は秘密で付き合っちゃってたりなんだり
お嬢様と執事っていいですよね(^q^)ウマウマ