妖精の尻尾ギルドにて、とある会議が行われていた。

議題『ジェラールとエルザの進展の無さについて』
議長:ルーシィ・ハートフィリア


「と、いうことで!!あの二人の仲を発展させたいんだけど何かいい案ないかしらね!!」
「ルーシィ…それ問いかけじゃなくて最早脅し」
「うるさいわよロキ!!」



ニッカァ…と笑顔と呼ぶにはあまりにおどろおどろしい表情を浮かべたルーシィはロキを一声で封じ込めて、その場の面々を順に見回した。

まず面倒臭そうな顔のグレイと、その隣には珍しく嬉々として参加してくれているジュビア。
ジュビアとは前々からエルザとジェラールの関係についての話をしていたからこの場では唯一の同志といえるだろう。

そして、グレイよりは楽しそうに話を聞いてくれるナツにワクワクとした表情のリサーナ。

この面子を見ると参加したくないのはどうやらグレイだけらしい。
まぁ、そこは問題ないだろう。
ジュビアが参加するんだからグレイが参加しないはずもないし。
何せグレイはジュビアにどうしてもと頼まれたらノーとは言えない質だ。


ルーシィはニヤリ、とこれまた笑顔ではない笑顔を浮かべると



「今日はあの二人のデートを偵察するわよ!!」




胸を張って宣言した。




と、いうことで。偵察するには多ずきる人数。
ルーシィ、ロキ、グレイ、ジュビア、ナツ、リサーナの六人は街中を肩を並べて歩く二人の影を10メートルほど離れたところから観察していた。



「なにあの二人の距離は…」
「実にもどかしい距離だな」



ルーシィが早速二人の問題を指摘した。
ロキのいう通り“もどかしい”が一番しっくりくる距離感。
近いわけでも遠い訳でもない、つまりそうでつまらないあの距離感はまさに見ている方がもどかしい。
ルーシィはク〜ッと痒くもないのにまるで痒く感じる体を掻きむしっていた。
どうどうと隣でロキがルーシィを抑える。
それほどまでに前方10メートルにいる二人のもどかしさは威力が強かった。



「んぁ?なんかエルザもぞもぞしてねぇか?」



ふと、ナツが目を細めてエルザを指差す。

他の面々もつられてナツの指差すエルザをよく見てみると、



「手、繋ごうとしてるんじゃない?」



リサーナの言葉にエルザをよくよく観察していると、確かに。
キョロキョロと自分の手をみつめ次にジェラールの手をみつめ、そしてまた自分の手、と。
仄かに顔が赤く染まっているあたり間違いないだろう。



「あぁジュビア見ているだけでじれったい!!!」
「手くらい繋げよ」



く〜っとルーシィと同じように痒そうに体をよじるジュビア、隣にいるグレイは最早呆れ返っている。

エルザともあろう者が、あんなにも女の子らしくなってしまうのか、なんて驚きはとうに頭から吹き飛んでいた。



「あ、ジェラールが動いたわ!」
「自分から手を繋ぎにいったね」



うおおおおお!!!!!!
とジェラールの大胆行動に後ろから声が上がる。



「ナイスジェラール!!!」
「グホッ」
「てゆーかエルザ顔真っ赤」



ルーシィがロキの背中を叩き、リサーナは可笑しそうに笑う。
ロキは…むせていた。



「なんだか良い感じになってきたじゃない」



端から見たらまるでカップルのような二人にニヤニヤするルーシィはすっかり忘れていた。

二人の後を追っている理由が、仲を進展させるためだということを。




「あ、なんか公園に入っていったぞ」
「…て、ゆーか……」
「これは…」



一同、顔を真っ赤にさせて固まった。



公園にはいっていった二人を追ってそれぞれ草陰に身を隠した瞬間。



「キス…よね?」
「ルーシィはそれ以外何に見えるの」



顔を真っ赤にして、友達のキスシーンから目を背けなければならないと分かっていながらもなかなかそうはいかないルーシィにしれっと返すロキはまるで驚いていない。



「…あの二人もう既に出来てるってことですか?」



衝撃から回復しつつあるジュビアが誰に聞くことなく質問を口にする。
答えたのはグレイだ。



「さぁな。そうなんじゃねぇの?」
「でもエルザさん付き合ってるなんて一言も…」
「エルザのことだから恥ずかしくて言ってなだけじゃないかな?」



リサーナの最もな発言に全員が納得しつつあったその時…。




「あ、ジェラールがこっち見た」
『えっ!?』



ぽつんとナツが言ったことに全員ビクリッと背筋を伸ばし、恐る恐るジェラールのいる方向へと目を向ける。


死角になってエルザは気付いていない様だが、確かにジェラールがこちらを見ていた。
しかも不適といえるニヒルな笑顔で…。



『ば、バレターーーーーー!!!!!!』



全員のその叫びで完全にエルザにもばれました。


ついでに振り返った時のエルザは見たこともないくらいに真っ赤でした。










<後日>


見付かったとき散々怒られた三人だが開き直ったらしい

ル「ねぇどうして付き合ってるって言ってくれなかったのよ」
エ「何の話だ」
リ「エルザ、ジェラールといつから付き合い始めてたの?」
エ「つ、つきあってなど!!」
ジュ「嘘です!!ジュビアたちしっかりとこの目で見たんですから!お二人がキスしているところをッ!!!!」
エ「きっ…キス!?」
ル「この間公園で!!」
リ「キス!!」
ジュ「してましたよね!?」


エ「………お ま え た ち 」




ル「(あ…)」
リ「(エルザが…)」
ジュ「(マジギr)」
エ「そんなところもまでみていたのかぁぁぁぁあああああああああ!!!!!!」
三人『きゃあああああああああああああああああ!!!』


危うくエルザに串刺しにされるところでした。






ジェ「ちなみに俺達付き合ってないから」
ロ「あのキスは?」
ジェ「フェイクだよ。君たちがずっとつけてたのに気付いて、死角になって見えない位置まで顔を近づけただけ」
ナ「なぁんだそうだったのか」
グ「小癪な手を使いやがって」
ジェ「ふふ」





策士ジェラール君でした。
ちゃんちゃん♪






――――――――

後書き

まず初めに、
すみませんでしたあああああああああああああああああああああ!!!!
遅くなった上にこの低クオリティ・・・
しかも当人のジェラールとエルザが喋ってない!!Σ(゜ロ゜;)


弥生様…管理人の力不足で申し訳ないですorz
本当は違う形で絡ませるはずが、無理でした…
ただデートをつけるだけの形になってしまってすみません

こんなんでよければ貰ってやってください…



改めてリクエストありがとうございました!!!














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