もう何日、陽の光を見ていないだろうか。
太陽が見えない暗闇では日にちなんてわかるはずもない。
それどころか今の時刻だって知ることは出来ない。
「俺には関係ないがな…、」
一生外に出ることはないのだから、今更日付を知る必要もない。
つまらない。
だだの空虚な時を過ごすのは退屈だ。
こんな生活が一生続くのかと思うと、いっそ死んだ方がましだと死んだ考えてしまう。
それでも、彼女の言葉を思い出してはそれではいけないと考え直す。
自分は生きなければならない。
死ぬことは許されない。
何よりも、彼女を悲しませたくはなかった。
例え会えなくても、生きていれば希望はあるかもしれない。
彼女だけが、生きる希望だ。
希望、といったら語弊があるかもしれない。
生きる意味を与えてくれた人。
死ぬことは逃げることだ。
過去の過ちや彼女の存在から。
ジェラールはそれらから逃げることはしたくなかった。
だから、牢獄だろうが例え地獄であろうが生き抜いてみせる。
そう心に誓っている。
「エルザ…それでも君は、また泣いているんだろうな」
最後の別れ際の
表情を思い出してジェラールは膝頭に顔を埋めた。
「俺も、会いたいよ…」
絶対に叶いはしないと分かっていても、決して消えはしない想いは辛いばかりだ。
それでも、会いたいと願ってしまうのは………。
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後書き
藍様よりリクエスト頂きました
評議院に捕まったジェラールの一人称です
今回の作品は連載中のジェラエル本編の番外編でもあります
エルザが一人でいる間のジェラールが気になる!
との事でしたのである意味番外かな?と思ったのでw
藍様のみお持ち帰り可です!
では、ありがとうございました