兄と弟と少女


目覚めたギャリーは元気でどこにも怪我はなかった。
いたって健康体だ。



「あんたたち、どうしてここに?」



不思議そうな顔をする兄のギャリー。 あまりにも先程のような緊迫感のかけらもなくて、軽く呆れるような安心するような気持ちになった。



「知らないよ。僕もイヴも気付いたらここにいたから」
「そう…。あんたイヴっていうのね、アタシはギャリーよ。ギャリーでいいわ、よろしくね」



小さいイヴに視線を合わせて微笑むギャリー。実は意外と子供好きだったり。



「よろしく…ギャリー」
「えぇ、よろしく」



優しく微笑むギャリーがは立ち上がる、と同時にシオンはイヴの手をゆっくりとほどいた。



「イヴ。ギャリーは僕のお兄さんだから、ギャリーと手を繋いでて。きっと僕よりもイヴを守ってくれるから」



イヴは何も言わず、見上げてくる。その瞳には不安の色が浮かんでいて、シオンは困ったように微笑むしかない。



「シオンが手を繋いでた方がいいんじゃないの?」



ギャリーもイヴの不満気な顔を見て声をかけてきたが、シオンは首を振った。



「兄さんが一緒にいてあげて。僕より兄さんの方が冷静に逃げ道を見つけられるでしょ。それに」



僕の方が運動神経いいからね。
と付け足せば、ギャリーはむっとしながらもイヴと手を繋いだ。

イヴも最初は緊張していたものの、すぐに慣れて大人しく彼に手を預けている。
まだまだ小さい子だから、暗闇でも誰かの温もりがあればある程度は安心できるだろう。



「それじゃ、進もうか」



シオンを先頭に、一行は歩みを進めた。


何かあれば、自分が囮になれるようシオンは先頭を譲らないつもりで。















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久しぶりすぎて次何でてくるか覚えてないww
なのでメアリー出てきちゃうかも?


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