ソフィーは上も下も、右も左もわからない真っ暗な闇をひた歩いていた。
歩かなくては、進まなくてはという危機感にも似た使命がソフィーをそうさせる。
止まってしまったら、大切なものを失いそうな気がしてならない。
どのくらい時間がたっただろうか。
歩いて歩いて、もう足が痛くなってきたころ、ふと前方に小さな光を見つけた。
光は近付くにつれどんどん大きくなっていく。
「……ハウル!」
光の中に彼を見た。
その瞬間、ソフィーが走り出すと同時に光は弱まり、ハウルが背を向ける。
だめ。行かせてはいけない。
「ハウル!!ハウルッ!!行ってはだめ!!」
必死に走って腕を伸ばしても、彼には届かない。
あぁ、行ってしまう。
涙が込み上げてくるのを唇を噛んで一心に耐えながら、それでもソフィーは彼を追う。
「ハウル!!!」
あと一歩。
必死に腕を伸ばし、消えかける彼を捕らえようとしたが、ソフィーの手は空をきった。
「…………ハ、ウル」
茫然と立ち尽くし、消えかけた彼の最後の言葉に涙を流した。
『ごめんね、ソフィ。さよなら』




冷たい感触に目が覚めた。
うっすらと、頬が濡れている。
「また、あの夢…」
涙を拭かず、疲れたように呟いてソフィーは不安を振り払うように寝返りを打った。
「ソフィー?」
ふと、眠たそうなまだ覚醒しきってない声に呼ばれ、顔をあげる。
「ごめんなさい。起こしちゃったわね」
「…どうしたの?」
「なんでもないのよ」
軽く開いた瞼から、綺麗な瞳がこちらを見つめる。
その目はソフィーを写すと、悲しそうに陰った。
「なんでもなくないよね。ソフィー、泣いてたんでしょ?」
すっと彼の手が頬を滑って、乾ききっていない涙をすくった。
その仕草があまりにも優しくて、ソフィーはまた泣きたくなる。
じわりと滲む視界。
「どうしたの?」
ハウルはあやすようにソフィーの髪を撫でながら、同じ質問を繰り返した。
「夢を、見るの。…ハウルがいなくなってしまう夢を」
ぽつりぽつり、とソフィーが話し出す。
時折涙で声が出ないのか、押し黙るソフィーだが、ハウルは話し終えるまでずっと髪を撫で続けた。
「ずっと、この夢ばかり…。何回も何回も…。ハウルが行ってしまう、夢。ハウル、何処にもいかないで…置いてかないで…ハウル」
服の袖を掴んで、とうとう泣き出しそうなソフィー。
ハウルはぎゅっと抱き締めて、安心させるよつに背中を優しく撫でた。
「何処にもいかないよ。僕はここにいる。ずっとソフィーの傍にいるから」
「ハウル…」
「大丈夫。夢は夢だよ。現実の僕は君を置いてなんかいかない。置いていける訳ないじゃないか。こんなにもソフィーを愛してるんだから」
ちゅっと額にキスを落として、抱き締める力を強める。
この気持ちが伝わるように。
彼女の不安が消えるように。
「ハウル、大好きよ」
ふっと微笑む気配に、内心安堵する。
「うん、僕もだよ」
そう言って、腕の力を弱めると、規則正しい寝息が聞こえ始める。
ハウルは微笑み、抱き締める手はそのまま自分も眠りについた。


―ソフィー、ずっと一緒にいるから
   君も僕から離れないでね―

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やってしまった\(^o^)/
昨日学校でハウルの動く城(英語版)を見たらたぎってしまいそのまま、一晩ハウソフィをさ迷い
結果書いてしまった!!後悔はしてない!!楽しかった!!
最近小説書いてないからリハビリがてら書いたけどボロボロなのはわかってる!!でも書きたかったんだ!!
ソフィー溺愛のハウル。
凄く………好きです( ̄^ ̄)どや

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