「へっくちゅ!」
「カントク風邪か?」


ひた、と額に触れた手から熱が伝わる。
その高い体温に眉間に皺が寄る。


「熱いな。大丈夫…か!?」
「ひゅうがく〜ん」


額に触れていた手を放そうとしたら何故か頬擦りされて焦った。
しかも普段の練習中の彼女からでは想像も出来ないような、緩みまくったデレ顔。周りの部員が心配しつつも、若干引いてる。
本音を言えば可愛くてしょうがないのだろうが、部員はそれを認めたくないのだ。
滅多に見せない顔。ぶっちゃけ他の奴に見せたくなかった。


「こらカントク」
「気持ちぃ〜」
「ちょっ…」


注意をしても、すりすりと日向の手の感触が気持ち良いらしくリコは頬擦りをやめない。

完璧自我を失ってやがる。
こんなになるまで何故風邪を放っておいた。
それ以上に、気付いてやれなかった自分に腹がたつ。


「あぁもう。ったくしゃーねぇな。俺コイツを保健室に運んでくっからお前ら先に練習しとけや」


それだけ告げると返事を待たずして、彼女を抱き上げ保健室に急いだ。
早く部員の目から遠ざけたかった。


「ひゅうがくんすきー」
「………お前、ここ学校だかんな」
姫抱きされた彼女は首に腕を絡めて額にキスをしてきた。
……………………一刻も早く保健室に運ぼう。

日向は保健室に向かう足を速めた。















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デレデレリコちゃんが書きたかったってだけの話w
ついでに部員にデレデレリコ見られてむしゃくしゃする日向くんが見たかった…

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