まさか、まさかこんな日がくるなんて…俺、日向順平は思ってもみなかった。

本当にまさか、まさかの事態なんだ。


「カントク!!マジで…いいのか」
「い、いいも何も日向くん以外なんて考えてないわよ」
「〜〜〜っ!!やっべぇ超嬉しい!!」


全力で喜ぶ彼の手には、可愛らしいお弁当箱。
しかしサイズは女の子のものにしては大きすぎるものだ。


「んだよ日向愛妻弁当かよ」
「お熱いなぁ〜ひゅーひゅー」
「ずりぃぞ!」


そう、それはリコからの手作り弁当だ。
クラスメイトたちに野次を入れられるも、日向は嬉しくてたまらないといった表情で軽く受け流した。


「てめぇらも早く彼女つくれや」
「出来ねーから苦労してんだろーが」
「リア充爆発しろー」


ギャーギャーとうるさい一部男子を無視して、日向は少し赤くなっているリコに笑いかけた。


「マジでありがとう。今日屋上で食おうな」
「うん」


あの火神の自宅で部員全員がぶっ倒れた事件以来、彼女は料理の勉強を始めた。
サプリメントやプロテインを入れないところから始まり、味覚云々、そして栄養価を考えての献立作りまで。
そして、人に食べさせたらぶっ倒れるレベルから、美味しいといえるレベルまできた。
それでもって、この弁当が家族以外に食べさせる第一号。


今から昼休みが楽しみである。





「うまい!!」
「よかったぁー。ちょっと不安だったのよね、家族以外に食べさせるの」
「いやいや普通にうまいって!!上達したな!!これなら毎日食いたい」
「じゃあ明日から作ってこようかな?」
「マジで?」
「うんマジで」


生きててよかったぁぁぁぁ!

生きてるうちに、リコの愛妻弁当が食えて












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リコちゃんの料理少し食べてみたい
あとお妙さんww
けっこう冒険したいタイプですww
そーいや、おっかぐ書きたいな…
お題拝借:ひよこ屋様

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