僕らの時間
手に入れた君を大事に抱きしめるように自宅へと急ぐ。
温かさの残る君は、ずっと苦しいくらいに望んでいたもの。
やっと手に入れたんだ。
初めて見たとき、体中に電気が走ったように目が離せなくなった。
目で追えば追うほど胸が苦しくて。
愛おしさで泣いてしまったのは誰にも内緒。
この日のために部屋を変えた。
僕の部屋と君の部屋。
天蓋付きのベッドにフリルとレースがふんだんに使われたカーテン。
お姫様の部屋のようだなと思ったけど、僕にとってはお姫様だから。
そこでたたずむ君を思うと、それだけで胸が張り裂けそうだった。
本当にどうしようもないほどなんだ。
だから。
だからそこ…。
ーーーっや…やだ…やめて…。
ーーーまだ……やりたいこと…あっ……た…のに。
枯れていく。
時計が止まる。
美しいまま。
これから僕と君は共に生きていく。
老いることのない君と、君だけを愛し続けていく僕。
言葉などなくていい。
僕らにはそんなもの必要ないから。
そして立ち止まった先には僕らの夢の城。
ポケットに入った鍵で扉の鍵を開け扉を開ける。
さあ、これからは僕らだけの時を進めよう…。