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空の瞳につい魅せられてしまっていたが、一瞬強く吹いた風に我を取り戻した。




『あ、そうだ…。これあげるよ。』



公園に来る前に買ったお茶を差し出すと、空は礼を言い、さっそく蓋を開けて一口飲んだ。



お互い一息つくようにしてお茶を飲むと、空は場所を変えようと言い立ち上がった。



『見せておきたい景色があるの。』



それだけ言うと、空は俺の手を半ば強引に取り歩き始める。



そのまま黙々と街の方向へ向かって歩き続け、とあるビルの前で立ち止まった。



『ここ?』



あれもしかして、なにかの勧誘?



なんて少しドキドキしてしまったけれど、それでも空は再び俺の手を取り引っ張るようにしてビルへと入っていった。



ビルの入口付近にあるエレベーターに乗ると、空は“屋上”と書かれたボタンを押す。



どうやら文字通り屋上へと向かっているらしい。



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