chapter 01



何かが始まるはずもなかった日
カーテンからのぞいたせかいは
きみの心の壁に穴をあける仕事
みつめすぎたら空いた穴
巡り巡って文明開花
手の鳴るほうへ
夜明けは待たない

chapter 02



孵化した朝
ヨワムシンドローム
きみの劣性をあいするのだ
一等星にはなれやしないが
いくじなしマスカレード
とろける魔法は夢の底
しあわせの輪郭をなぞる日々
星になるための仮眠
ミルクと銃口
星の呼吸も儘ならぬ
祈らずとも朝日はやさしい

chapter 03



ぼくら奇跡の星生まれ
いざよう睫毛
月の兎がとろめいて
あやふやな周波数で
誰も彼もが天使を探している
依存性の高いなんとやら
まばたきの度に侵食
ふやけた翅では飛べないね
はばたく呪文を唱えましょう


chapter 04



花冷えの夜半
泣き方を教えて
涙なんてとうに乾いた
スパイラル・メランコリア
待つ者の賛美歌
寂しさはお砂糖と一緒に煮込んでしまおう
ミルクセーキに沈む午後
はばたく蝶の翅は蒼
きみとぼくの休日
未来からの使者の足音


Side story 天使不在の裏庭より

chapter 05


嘘をお言いよ、お嬢さん
眠れない夜にお砂糖二杯
巡り巡って還っておいで
融解する純白
まつげが刃に変わるとき
濁りなんかひとつもないの
光を放つ花弁をひとひら
揺るぎのない青
頬を流れるほうき星
革命前夜のうそのこと


chapter 06



彼方と此方の攻防戦
警鐘エコー
悪夢なんか食べてしまえ
流星を手繰り寄せて
闘志を刃に、誓いを胸に
駆け抜ける両の心臓
最果てから君へ
その瞬きがたった一つの合図
瞬間、瞳が煌めいた

指を鳴らせばきみが笑う

Fin.

あとがき

番外編
ぼくのふざけた愛がきみの心臓を刺す前に菊地原が優男になった編
さあ夏を呼んでハミング花火大会に行こう編
泣き虫コンチェルト当真師匠に彼女が出来た?編
間違いだらけの夜の話鳩原未来と出会っていたらIF 暗い
ナイトタウンにて怖い夢を見た話

Title By 星食

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