桃城「ほら!!肉食えよ」
そい言ってさっきからあたしの皿の上に肉を大量に乗せてくる武くん。
いくら肉が好きなあたしでも、一気ににこんないっぱいは食べられないよ。
そして、武くんの様子がおかしい。
さっきから全く目を合わせてくれない。
『武くん……もういいよ』
まだ肉を乗せてくる。
聞こえてないのかな……。
海堂「聞いてんのか、オラ」
桃城「………」
薫ちゃんが話かけてるのに、無反応だなんて。
目線は上の空ってか……。
やっぱりおかしいよ!!
おかしすぎるよ、武くん!!
海堂「聞いてんのかテメェ!!」
薫ちゃんは武くんの胸ぐらを掴み上げた。
ちょっ…。
さすがに暴力は……って……。
桃城「………」
なんでそれでも無反応なの??
おかしいよ……。
こんなの武くんじゃないよ!!
もっと明るくて……
優しくて…
うるさくて、でも面白くて……
それが武くんなのに。
海堂「なっ!?何のつもりなんだよ!!」
桃城「……何にもねーよ」
何にもないわけないよ。
こんな武くん嫌だよ!!
武くんじゃないよ!!
『武くんっ!!』
あたしは武くんに抱きついた。
体が走ってしまった。
不覚だったかも分からない。
でも、あたしの意志であるのは確か。
桃城「なっ……お前……」
『武くん、あんな武くん嫌だよ』
桃城「えっ、あっ……。ワリィ」
あたしは武くんから離れると、反対に抱き寄せられた。
………ドキッ
何、この気持ち。
初めて………。
『ちょっ………武くん??帰って来たんでしょ??なら……』
桃城「俺じゃ頼りねーのかよ」
『それは違うよ…!!』
桃城「だったら比嘉中だか何だか知らねーけど、あんなよく分からない奴らより俺を頼れよ」
更にぎゅっと抱きしめられる。
それと共にあたしの心臓の鼓動が速くなる。
うるさい……。
桃城「いつでも俺のとこに来てくれ。だからもう……
手塚「取り込み中申し訳ないが、海堂が泣いて来たのでな」
!?
っは!!
薫ちゃんの存在忘れてたし!!
あたしはとっさに武くんから離れた。
海堂「そんな事はないッス!!しかし…俺の存在を忘れて2人で………」
河村「海堂は自分の存在を無視されて悲しかったんだよ」
大石「それにしても」
不二「今のはなんだい??桃」
菊丸「後で話か聞くらなー」
桃城「勘弁して下さいッスよ〜」
やっぱりいつもの武くんが一番だ。
これでこそ武くん……って!!!
あたし武くんの事ばかり考えて…!!
いや、いいんだ。
気にしないのが一番!!
そして遠くからは2人の目が光ってるのを感じたのは気のせいにしておこう。
35.初めての気持ち