海堂「春花、気持ちは分かるが、すぐにああなるな」
『分かってるよ……でも、悔しかったんだもん』
するといきなり頭をポンポンされた。
と思ったら武くんだった。
桃城「気持ちは嬉しいけどよ、俺にとっちゃ、あんな姿の春花を見る方が辛いんだよ……」
武くん……。
武くんの悲しそうな表情を、これ以上見る事ができなかった。
しばらく無言の気まずい空気が流れて、そのままたどり着いた場所は、昔よく薫ちゃんと来たファミレス。
海堂「ここは……」
『うん、覚えてるでしょ??』
桃城「なっ!?また2人だけの秘密かよ」
菊丸「え〜!!海堂ズル過ぎ〜!!」
越前「案外こういうの覚えてますよね」
嫌な事があるとよくこのファミレスに来る。
最近は1人が多かったから、薫ちゃんと来たかった。
店に入ると奥のテーブル席に案内された。
今日はやけに学生が多い気がする。
桃城「春花、俺がなんかおごってやるよ」
『え、ホント!』
桃城「おう!!何でもいいぜ」
『じゃあ、このパフェ』
桃城「げっ!?一番たけーパフェじゃん…な、何でもおごってやるよ」
さっきとは違っていつも通りの武くんだから良かった。
あたしも遠慮なく、一番高いパフェにしたしね(笑)
越前「なるほど、そーやって稼ぐんッスね」
菊丸「あ、ズルいぞ桃ー!!」
なんか英二先輩っていつもこんなパターンだよね……笑
「東京ってたいした学校ないんスね〜」
そんな言葉にあたしは反応した。聞こえた方に目線をやれば、黄色いジャージを来た学生がいた。
立海………
「今日の学校はすぐに騙せたぜよ」
「仁王くん!!いい加減にしてください」
「そんなに食って大丈夫かよ」
「大丈夫!!お前が払うから」
「今日の学校もデータ通りだった。都1位は恐らく……青学だろう」
菊丸「立海……。何でこんな所に…」
桃城「相変わらず、威圧感のある学校ッスね」
越前「へぇ、言ってくれんじゃん」
海堂「言わせておけ」
薫ちゃんの言うとおり。
言わせておけばいいんだ。
常勝立海。
その呼ばれ方も今年で最後にしてやるんだから。
「いずれにせよ、青学たるんどるわ。お粗末極まりない東京の学校等叩き潰すのみだ」
ファミレスでこのトークはアカンでしょ……。
いつかそのセリフ、あたしたちが言ってやるんだから。
25.弱気じゃやっていけない