試合の組み合わせはなんとも適当で、くじで決める事になった。
武くん……。
誰と当たるんだろう。
跡部「まずは第一コート、シングルスの試合からだ。手塚、テメェから引け」
手塚「ああ…」
手塚先輩が引いたのは、武くんだった。
相手は、誰だろう……。
跡部「引くぜ!!……フッ、残念だったな。桃城。相手は俺様だ」
桃城「おぉ、上等ッスよ。簡単に勝ちは譲らないッス」
嘘……
相手が景……跡部さんなんて…!?
彼のプレイはずっと見てきてるけど……上手い。
でもあたしは、青学を応援しに来たんだ。
勝負って戦ってみないと分からないし。
だからあたしは武くんを信じる!!
『武くん、頑張れ!!』
桃城「おう!!任せとけ」
跡部「…………」
「うるさいわね。勝てっこないのに。バカみたい」
後ろを振り向けば……
『風香………』
冷たい視線を向けてくる彼女だった。
もう、昔みたいな温かみは一切ない。
悪い言い方をすれば悪いものを見るような目だ。
風香を見てる間に、2人の試合は始まっていた。
そして運が悪い事に他の部員達は、アップに出てしまっている。
今この場にいるのは、あたしと風香だけ。
「あの人残念だね。景吾部長に勝てるはずがないんだから」
40-0か…
「戦うだけ無駄じゃない。あんなに張り切っちゃってさ、青学って低レベルな学校なんだね」
青学を侮辱するなんて…
武くんを侮辱するなんて…
絶対に許さない………
『確かに景……跡部さんに勝つのは難しいかもしれない。でもね、武くんも青学のみんなも戦うために今日ここに来たの。勝つために来たの!!無駄足なんかじゃない……。これ以上ウチの部を侮辱したら………
例え女でも絞めるぞ』
分かってもらえると思ったけど……
「フフっ…!!ばっかみたい。何その台詞。無い知恵絞って考えたの??」
分かってもらえなかったみたい。
一度決めた事は曲げない。
それが例えどんな事であろうと……。
あたしの決意は軽いものじゃない……。
『その性格……直したら??』
「お前ふざけんなよ!!こんなものつけやがって!!」
あたしの拳より先に、彼女の拳があたしの顔を殴った。
お面はその場に落ちた。
『相変わらず、力は弱いんだね』
跡部「お前と違ってな……」
嘘………。
なんで……。
21.それでもあたしは決意を曲げない