やっぱり好きだって



問題が発生した
これは本当に大問題だ
という事で昨日の部活後に緊急会議を開いたのだが、結論もうどうすることも出来ないんじゃないか?で纏まってしまった事に1限目から頭を抱えていた
数日前に委員会で少し遅くなると俺に言った木兎さんに、あー俺も先生に頼まれた事があるので遅れて行くんですと言ったのが間違いだったのかもしれない
何を思ったのか委員会が早めに終わった彼は、女子が群がってトイレに行くかのごとく俺と部活に一緒に行こうと教室で待とうと思ったらしい
そこで出会ってしまったのが最後

『赤葦!どうして今まで松枝ちゃんを紹介しなかったんだ!?』

ってなんでクラスメイトというだけの間柄の彼女を、部活の先輩である彼に紹介しなければいけないのか
運命だ!俺の運命の相手は松枝ちゃんだ!と目をきらきらさせては部活へと足を運んだのを今でも鮮明に覚えている
はてはて木兎さんの運命の相手は今までに何人いたのやら
惚れやすい人だ
簡単に言えば気持ちが散漫なのだ
其処に関しては個人の自由だろうと言われてしまえばその話は終了でよいとされるが、だが木兎光太郎は違う
最初の内は良い
絶好調の我らのエースって感じで大活躍してくれる
だが、1歩間違えればいっさい使い物にならないクズ野郎にもなる
この状態はしょぼくれモード時より最低でありめんどくさい


「赤葦君大丈夫?」

ちょんちょんと背中をつつかれて振り向けば、眉を軽くハノ字にした松枝さん
彼女と俺は今、席が前後という間柄

[ちょっと木兎さんがね…]
「あー…」

そして木兎さんに振り回され悩まされているという仲間

「なんかごめんね」

事情を知っている彼女はたびたび俺に謝るのだがその度に俺は思う
あー松枝名前がやっぱり好きだって




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