馬鹿野郎ですね



遅かれ早かれ俺達は出会っていたんだと思う
そしてどんな出会い方をしたとしても、俺はこの目の前の女に惚れていつか結ばれるんだ

「その結ばれるってのは籍を入れて家族になるという俗称結婚と言うものですか?」

それとも、ナニをナニにぶち込んでって意味ですか?なんてとんだ間抜けな質問だ

『どっちもに決まってんだろ!!』

俺達は運命って奴で繋がって居る
一目見てビビビッと来たんだ間違いない
でもまだ高校生で悔しいかな養ってやることも出来ないし、その前に18歳にもなっていない俺は結婚が出来ないのである
だから手っ取り早いのは後者だろう

『おし、善は急げだ行くぞ』
「どこにですか?」
『俺たちが結ばれるのに相応しい場所だ!』

初めてはやっぱりこんな学校より男の部屋だろう
てことはイコール俺の部屋
こんな事なら掃除しておけば良かったと思うがしょうがないと手首を掴んで軽く引っ張ると、頬に浴びせられた最高に鋭いビンタ

『何すんだ!?』

いってぇ、俺絶対涙目だ
だが涙目だろうとこの掴んだ手首は離してなるものかとぐっと手に力を込める

「それはこっちの台詞だ馬鹿野郎」

ていうか貴方誰ですか?っておいおいそりゃーないだろう
未来の旦那の名を知らないなんてって…あれ?

『俺もお前の名前しらねーや!』
「本当に馬鹿野郎ですね」

名前も知らない数分前に初めて会った相手とヤろうだなんて…とはぁーとため息
そんなため息ついてる顔もたまんないぜなんて言ったらどうするかな?
確実に軽蔑の目を向けられるだろう
俺は別にマゾって訳では無いがそんな顔も見てみたい
湧き上がる好奇心
いい加減離してくださいよ!と腕をぶんぶん振り始める
そんな力じゃ絶対に俺の手なんて振りほどけないけど見ていて癒されるのでじーっと見つめていたら

[何してるんですか貴方は]

赤葦登場
そして赤葦は俺の手から彼女を救出して自分の背に隠すではないか
なんだこれ、俺悪者なの?
なんだこれ、赤葦救世主なの?
俺がヒーローになりたい系男子だって分かってるよね?

[松枝さんごめん」

うちの主将ちょっとおかしいんだって、なに?松枝さんていうの?苗字も可愛い
苗字ですら可愛い
でも1番気に食わないのが

「赤葦君ありがとー」

って松枝ちゃんが赤葦に笑った事だ!!!




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